大好評で終わった紅白歌合戦 NHK放送100年の2025年…カギ握る「STARTO社」と「トリ問題」
昨年大みそかに生放送された「第75回NHK紅白歌合戦」の平均世帯視聴率は第1部が29・0%、第2部は32・7%だった。一昨年(ワースト)はそれぞれ29・0%、31・9%だったため、第2部が0・8ポイントアップした格好だ。数字をキープした上に、存在感も示したことで評価する声は多い。そこで昨年の紅白を振り返り、今年の注目点を占ってみると――。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ) 【写真】司会を務めた有吉弘行、橋本環奈、伊藤沙莉、鈴木奈穂子アナ 昨年の紅白は、大御所アーティストが多数出演したことが話題を集めた。初出場となったB’zのサプライズ生歌唱、41年ぶりに出場したTHE ALFEE、さらには高橋真梨子、イルカ、南こうせつ、玉置浩二、GLAYとめじろ押し。SNSでは「紅白はこれでいい」「NHKやるじゃん」「見てよかった」などと絶賛する声が相次いだ。 ある音楽関係者は「誰もが知っているアーティストが、誰もが知っている歌を歌ったことが評価されたと言っていい。それに加え藤井風、米津玄師といったアーティストもしっかり聞かせてくれたし、それが結果につながった原因の一つではないでしょうか」と指摘する。 中でも最大の目玉となったのがやはりB’zだろう。現在放送中の朝の連続テレビ小説「おむすび」の主題歌「イルミネーション」を録画歌唱した後、NHKホールで大ヒット曲「LOVE PHANTOM」「ultra soul」をサプライズで生歌唱。視聴者や観客はもちろん、司会者、他の出場者まで大興奮させ、〝神回〟となった。 「若い人の中には『ultra soul』は知っているけど、誰が歌っているか知らないという人は少なくない。そんな人たちに最大限にアピールできたステージになった」(同) B’zのブランド力は大幅にアップしたといっても過言ではない。 では、今年の紅白はどうなるのか。 出場が注目されるのが2年連続で出場者ゼロとなったSTARTO ENTERTAINMENT社のタレントだ。Snow Manは一昨年に続き、昨年もユーチューブの生配信を紅白放送中の午後8時30分から開始。同時接続数こそ一昨年の133万人に及ばなかったものの、126万人という圧倒的な数字を残した。 ほかにもなにわ男子、King&Princeといった人気グループもユーチューブやファンクラブ会員サイトで生配信して大好評だった。ある芸能関係者の話。 「この試みは今回も大盛況でした。ファンにとっては1曲、2曲くらいしか出番のない紅白よりもうれしいこと。結果的に紅白側はスタート社のタレントがいなくてもやり方次第では番組が成立することがわかり、スタート社としても一定の成果を挙げることができた。そうなると無理して出場しなくていいとなるかもしれません」 3年連続ゼロもありえない話ではない。 また、紅白が近年、頭を悩ませているのがトリの問題だ。MISIAと福山雅治がトリを務める組み合わせは2020年から5年連続。MISIA個人に至っては6年連続だ。トリにふさわしい2人だが、さすがに5年連続となるとマンネリ感は否めない。 「紅白側もこのトリ問題に危機感は持っているんです。ただ、この2人のように全国的に知名度が高く、多くの人に知られている楽曲を持っている歌手となると限られてしまう。それにトリである以上、NHKホールで歌う必要があるため、条件が合致するアーティストがなかなかいない」(別の音楽関係者) もちろん、全国的に知名度があり、知られた楽曲も多いといえば、石川さゆりや坂本冬美のような演歌勢、そしてB’zが今年も出場してくれればそれに越したことはないが…。 「演歌に重きを置くというスタンスは今の紅白の流れではないので、トリという判断はしづらいのでは。B’zも今年出場してくれるかどうか」と同関係者。 2025年はNHKが放送を開始して100年。節目の年の紅白はより注目を集めそうだ。
東スポWEB