船井電機の親会社 FUNAI GROUP(大阪)が破産手続きの保全管理命令
FUNAI GROUP(株)(旧:船井電機・ホールディングス(株)、大東市)は11月21日、東京地裁から破産手続きにおける保全管理命令を受けた。 保全管理人には竹山拓弁護士(飯沼総合法律事務所、中央区銀座2-7-17)が選任された。 10月24日、東京地裁より破産開始決定を受けた船井電機(株)(大東市)の持ち株会社。 当初は事業会社として展開し、「FUNAI」ブランドでリーズナブルな価格帯の液晶テレビなどを供給するAV機器メーカーとして、2000年3月には東証1部(当時)に上場。特に北米での高いシェアを誇り、2005年3月期には単体売上高3535億9200万円をあげた。 しかし、その後は中国・台湾などのメーカーとの競合激化もあって低迷。2016年には、現(株)ヤマダデンキ(群馬県高崎市)への独占供給を柱とする業務提携などで再起を図ったが、この間の2017年に創業者の船井哲良氏が死去。事業の再建と承継を模索するなかで2021年5月、(株)秀和システムホールディングス(江東区)が株式公開買付を実施し、同社の完全子会社となり、2021年8月26日に上場を廃止した。その後、同社の親会社である(株)秀和システム(東京都江東区)の傘下となり、2023年3月末に会社分割により船井電機へ事業を移管。当社は船井電機・ホールディングス(株)へ商号変更のうえ、上田智一氏が代表取締役に就任し、中間持株会社となった。
また、同年4月には脱毛サロン運営の(株)ミュゼプラチナム(現:(株)MIT、大田区)を買収した。しかし、上田氏の代表就任後、事業多角化の裏で多額の資金が関連会社への貸付金などとして流出し、グループの資金繰りは急速に悪化。2024年3月に当社名義の本社と東京支店の不動産に対して創業家より100億円を超える根抵当権設定仮登記が設定され、5月には役員構成が入れ替わるなかで、当社より明確な説明がなされず、信用不安が高まった。また、ミュゼプラチナムはネット広告企業に対する債務約22億円の支払いが滞る事態も発生。債務を連帯保証していた当社の保有する船井電機株式に対して仮差押が申し立てられ、5月2日に仮差押決定の発令を受けた。 船井電機では10月3日に経営体制の刷新を発表したものの、支払遅延が発生し、材料仕入なども困難となり10月24日、東京地裁に準自己破産を申請し同日、開始決定を受けていた。当社はこの間、9月27日に古寺誠一郎氏が代表取締役に就任(登記は10月11日)。10月31日、現商号に変更し同日、登記上本社を大阪府大東市から東京都千代田区の現在地に移転。古寺氏らは船井電機の破産開始決定に対して東京地裁に即時抗告を申し入れ、12月2日には船井電機に対して東京地裁に民事再生法の適用を申請する書類を提出するなどしていた。 ※FUNAI GROUP(株)(TSR企業コード:570182948、法人番号:2122001015871、大阪府大東市中垣内7-7-1、登記上:東京都千代田区外神田4-11-5、設立1951(昭和26)年1月、資本金1億円) ※船井電機(株)(TSR企業コード:697425274、法人番号:3122001036719、大阪府大東市) ※(株)ヤマダデンキ(TSR企業コード:134237650、法人番号:2070001036729、高崎市) ※(株)秀和システムホールディングス(TSR企業コード:136862659、法人番号:2010601058062、江東区) ※(株)秀和システム(TSR企業コード:292007680、法人番号:1010401013986、江東区) ※(株)ミュゼプラチナム(現:(株)MIT、TSR企業コード:300036639、法人番号:3011001092832、大田区)