バジャドリー戦の久保建英(C)Getty Images

21日のラ・リーガ第6節、レアル・ソシエダは敵地ホセ・ソリージャでのバジャドリー戦をスコアレスドローで終えた。MF久保建英は先発出場し、新たなポジションで起用されている。 ラ・リーガ6試合分を終えて、1勝1分け4敗と勝ち点4しか獲得しておらず、残留争いに巻き込まれる可能性も指摘されるソシエダ。イマノル監督は1勝2分け3敗と同じく低調のバジャドリーを相手に、これまで使い続けた4-3-3から中盤ダイヤモンドの4-4-2にシステムを変更した。 この変更における主役は、久保である。これまで右ウィングを務めてきた日本代表MFは、中盤スビメンディ、トゥリエンテス、スチッチの前方、前線オスカールソン、ベッカーの後方となるトップ下に配置されている。 立ち上がりからボールを保持して攻め込んだのはソシエダ。ピッチ中央でプレーする久保は、これまでのようにサイドで孤立することなく、チームの攻撃を経由する存在となる。複数人に囲まれて、強く体を当てられるポジションであるために、フィジカルの競り合いで苦戦することはあったが、それでもその才能を輝かせて決定的なチャンスをつくった。 10分、久保は個人技からペナルティーエリア内左に侵入。抜群の加速と突破力でまずユリッチ（抜き去る際に浮いたボールが久保の手に当たっていた可能性もあったが）、次にルイス・ペレスをかわして、左足でゴール前に横パスを送った。だがオスカールソンがフリーで放ったシュートはオズカジャルに弾かれ、さらにこぼれ球をアランブルが叩いたものの、GKハインのセーブに遭っている。 久保は28分にも決定機を供給する。日本代表MFが自陣深い位置から狙い澄ましたスルーパスを送り、ベッカーが最終ラインを突破。ベッカーはその快速を生かしてそのままペナルティーエリア内に侵入したものの、そのフィニッシュはバジャドリーDFに防がれた。 ソシエダはさらにデイショナルタイム2分、アランブルのクロスからベッカーがヘディングシュートを放ったものの、これはGKハインの好守に遭い、先制点を奪えないまま試合を折り返した。なおバジャドリーの方は、今季ラ・リーガのブレイク候補の一人ラウール・モロがチャンスを量産。ソシエダは21歳のスペイン人MFが見せる衝撃的なスピードのドリブル突破に、何度も手を焼いている。 後半になってもソシエダはゴールが遠い。久保は中央のほか、サイドにも流れて得意のドリブルで仕掛けようとするが、チームの連動性の低さ、バジャドリーの守備の堅さを前に思うような効果を挙げられなかった。イマノル監督は61分にオスカールソン＆スチッチの新加入組を下げて、オヤルサバル＆オラサガスティを投入している。 ソシエダは65分、ペナルティーエリア内右の久保のお膳立てからベッカー三度決定機を迎えたものの、これはクロスバーに直撃。イマノル監督は80分に再び選手交代に動き、チーム内で最も決定的なチャンスを生み出してきた久保、またアゲルド（負傷）を下げてサディク、パチェコをピッチに立たせた。 結局、ソシエダは最後までバジャドリーからゴールを奪えないまま、スコアレスで試合終了のホイッスルを迎えることになった。これで今季ラ・リーガの成績は1勝2分け4敗。7試合を終えて勝ち点5しか獲得できていない厳しい状況に陥っている。