震災前から愛されてきた「ハンバーグピラフ」 釜石で被災し盛岡で夢の再建果たす 岩手県
岩手めんこいテレビ
岩手県釜石市民に愛された洋食店が東日本大震災の津波で店舗を失いましたが、縁があって2024年盛岡市で夢だった再建を果たしました。 店主の前野隆彦さんは「後悔しない人生を生きよう。『大変だろうけど絶対大丈夫だから』と店を始めた」と言います。 盛岡市紅葉が丘に2024年7月にグランドオープンした「キッチンアンドアトリエ手から手へ」。 店を切り盛りするのは前野隆彦さんと妻の中條いずみさんです。 前野さんは東日本大震災前まで釜石市で「ポートまえの」という洋食店を営んでいました。 店主 前野隆彦さん 「震災から10年目のときに復興支援のイベントがあって、1日だけ『ポートまえの』を復活させてほしいと依頼があった。泣いてくれる方もいたりするぐらい。それで火がついた」 「ポートまえの」の時代から愛されてきた「ハンバーグピラフ」は、日替わりのスープもついたセットメニューで当時の味を生かしつつ進化もしています。 タマネギ麹は肉の漬け込みに使うと柔らかくジューシーになるといいます。タマネギの甘みと肉のうまみが凝縮し溢れる肉汁が食欲をそそります。 麹とセロリ・キノコ・にんじんなどを合わせた発酵ブイヨンはピラフへ、味に深みを生み出します。 麹を使った独創的なメニュー・スパイスカレーは、ココナッツ『オイル・ミルク』がベースになっています。 完成まで9年かかったというスパイスカレーは、数種類のスパイスを利かせココナッツを使うことでマイルドな味わいで、子供から大人まで楽しめるメニューです。 店の2階には高校3年生の息子の絵を飾っていて、中條さんは「(今後)県内外のアーティストの絵を展示する場所として利用していきたい。人と人がアートと食を通じて、つながる場所になればいいなと」と話していました。 アートを感じながら、喫茶メニュー・自家製のホットサンドも楽しめます。 サクッと焼き上がったパンの中には、たっぷりのキノコペーストの豊かな風味と優しい味わいが広がります。 店主 前野隆彦さん 「色々な方との出会いがあって、それが何よりもうれしい。日々若返っている感じがある。その元気を食事で表現して、お客様に伝わればいいなと」 人と人を結び“憩いの場”を目指す洋食店「手から手へ」は、2人の思いが込められたおいしい料理と空間です。
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