米軍再編交付金で民意はねじ曲げられた…元岩国市長「基地完成すれば後戻りできない」 整備進む馬毛島の機能強化に警鐘鳴らす 西之表で講演
米軍岩国基地がある山口県の岩国市長を2008年まで務めた井原勝介さん(74)が22日、鹿児島県西之表市で講演した。米軍機訓練移転を伴う自衛隊基地整備が進む同市馬毛島について「完成すると後戻りできず、基地機能の強化が加速する」と警鐘を鳴らした。 【写真】〈馬毛島の変化を写真で比べる〉北側上空から見た馬毛島。左は2023年1月12日撮影、右は24年1月8日撮影=いずれも本社チャーター機から
井原さんは市長時代、岩国への米空母艦載機移駐案の賛否を住民投票で問い、87%が反対した。しかし、米軍再編交付金を示す一方で補助金をカットする国の「アメとムチ」によって「住民の不安が増し、民意がねじ曲げられた。移駐反対を訴えた4回目の選挙で敗れた」と振り返った。 岩国基地は海兵隊だけでなく、海軍や空軍など軍の種別を超えた統合的な拠点になりつつあるという。「8000億円以上をつぎ込む馬毛島も約束通りには運用されない。基地問題を市長や議会任せにせず住民自身が考えて」と呼びかけた。 講演は「馬毛島基地反対裁判を支援する会」が主催した「地方自治から馬毛島基地問題を考える種子島集会」であった。
南日本新聞 | 鹿児島