銀座で100年近く続く町中華「銀座 萬福」 唯一残った洋食メニューと『エビ玉を一緒に頼むべき』というワケは?
そして、店の中で唯一残っている洋食メニューがこの「ポークライス」。 いわゆるチキンライスのチキンが、中華そばでも使うチャーシューになっているので“ポーク”ライス。グリーンピースが彩りで数粒入っているのが、洋食らしさを感じます。 「これも昔から変わらない作り方だね」と店主。そして、このポークライスを頼んだら、絶対一緒に頼むべき! なのが次の料理です。
●塩味が程よくきいたやさしい美味しさ!「エビ玉」1050円
絶妙なトロトロ加減、しっとりフワッフワのエビ玉。「味付けは塩だけですね」と店主。シンプルだからこそ、エビと卵の旨みがじんわり感じられます。でも、なぜエビ玉? 「ほら、これのっけちゃえばオムライスみたいになるでしょ」とニッコリ。なるほど!
ポークライスにエビ玉を乗せて味わうと、リッチな、ちょっと贅沢なオムライスに。 エビ玉はエビ玉で美味しいし、ポークライスもそれだけで美味しい。単体で美味しいのに合体させると、ポークライスのケチャップ味と、エビ玉の程よい塩味が絶妙にマッチして、上からケチャップとかデミグラスソースをかけなくてもかなり美味しい! 確かに、ポークライスを頼んだらエビ玉も頼まないと、というのに納得です。 「銀座は個人店が少なくなっているから、手作りの味を残していかないとね。味も価格も、いろんな意味を含めて、街の定食屋、食堂として続けていきたいと考えています」と話す店主。 確かに、高級店や大手資本の店、チェーン店など、庶民には手の届かない店や、銀座じゃなくても味わえるお店が多い中、手作りで良心的な価格、しかもここでしか味わえないお店は貴重です。 これからの季節のおすすめは、やはり冷やし中華1080円(大盛り1380円)。 「うちの冷やし中華は暑い時期限定じゃなくて、通年で出しているレギュラーメニュー。常連のお客さんで、冷やし中華ばっかり頼む人がいてね。その人、9月の終わりには来なくなっちゃうから、だったら通年で出そうと。雪の日に冷やし中華を注文したお客さんがいたときは驚いたね~」。 確かにそれは驚きです。ちなみに、醤油味の冷やし中華は通年ですが、期間限定でゴマ味も出しているそうです。こちらは9月ごろまで。 2025年の11月ごろには、100周年記念で樽酒の振る舞いなど、何か記念イベントを行う予定。そして、幼い子供のためにも、これから20年は鍋を振り続けるよ! と明るく話す店主。 初めてなのにどこか懐かしい味わいは、これから通い続けて常連になりたい! と思える、ホッとする美味しさでした!
いしざわりかこ