「いつか」はやりたい「立山登って神社参拝」! ハイシーズンに挑戦した登山レポ
剱の先端が見えた! 岩の殿堂、黒鉄の岩綾、憧れと畏怖の剱岳登場
大汝山から富士ノ折立へ続く途上の休憩小屋はもうひとつの人気スポット。食事や飲み物&手ぬぐいなどの小物アクセサリーが買えます。この富士ノ折立(標高2999m)が思いの外難儀します。雄山側からのアプローチが若干不明瞭で、急峻な岩場。慎重に慎重を重ねて岩を辿って山頂へ。ビギナーの方は山頂を避けて巻き道を選んでも問題ないと思います。 富士ノ折立を下り、名物「大走り」分岐を行き過ぎて真砂岳。ここからは2018年に氷河認定された「内蔵助雪渓」を見下ろすことができます。そのささやかな面積の雪渓に、雄山神社の宮司さんの言葉が思い起こされます。「年を追うごとに小さくなっている」。あるがままは大事だけれど放置はまた別問題。立山の景観を守るためにささやかでも自助努力に励みたいものです。 真砂岳から登り返しを踏ん張って続く別山へ。標高2874mの別山は立山、浄土山と並ぶ立山三山の一座です。別山から剱岳登頂者の前線基地でもある別山乗越へ下ります。標高差約100mを一気に下る登山道は浮石に注意が必要です。 別山乗越は剱岳登頂と、大日岳方面への登山道と雷鳥沢に下るルートの分岐点として格好の休憩場所です。ザックを下ろして水分補給中に晴れたガスから剱岳の先端部が姿を現してくれました。まさに黒鉄。その優しさも思いやりも感じられない尖った威容に圧倒されます。
雷鳥沢までの激下りのち、待ち受けるはラスボス坂の激登り
別山乗越から室堂方面に向かいますが、名物雷鳥坂の一気下りが待ち構えていました。標高2750mから2330mの雷鳥沢まで約400mをひたすら下ります。ガレた坂道は浮石を踏まないように足もとに要注意です。雷鳥沢まで降り下って雷鳥沢キャンプ場を横切ります。 そして待ち構える最後の登りは石積みの階段。2400mの日本一高所にある温泉まで、ひたすら階段を一段一段。太腿が泣きを入れます、心は愚痴をこぼします。地獄谷から吹き上がる硫黄臭に当日の終点を感じ取り、「みくりが池温泉」着。こちらの宿では温泉浴と豪華な食事を堪能できます。 翌日の天気は、やはり予想通りの大荒れ。ほぼ台風。立山三山の浄土山を目前に撤退、下山。再チャレンジを胸にしまいこんで立山を後にします。 立山は特にヘルメット着用推奨されていませんが、雄山~富士ノ折立は3000m超えの稜線歩きになります。滑落はなくとも転倒すればケガは避けられないので、可能ならば頭部保護のヘルメットおよびグローブを携行することをお勧めします。登山道は急坂のため、特に下りの際には足もとをよく見て落ち着いて下るようにしましょう。景観眺めの「ながら」下りはケガの元です。
ソトラバ編集部 内海