喫茶店・カフェの倒産件数 実は過去最多 人気があっても閉店「現実はそんなに甘くなかった」
(六古窯珈琲・纐纈(こうけつ)昭男社長) 「嗜好品なので、お金をかける人が少なくなっていると思う。皆さんに負担がかからないように頑張っているが、まだ豆の値段が上がっている。今後、どうしようか、迷っているのが本音」 ここ数年、コーヒー豆の価格は上昇している一方、コーヒー1杯の価格はほぼ横ばい。コンビニに行けば、100円程度でコーヒーが買える今、利益が減っても値上げが難しいのが現状です。 さらに、深刻な「人手不足」も、もう一つの大きな課題です。六古窯では、セルフレジの導入なども行いましたが、それでも人手は不足。4月、5月は、あんかけスパなど、人気メニューの提供を休止しました。6月からスタッフを増やし、ようやく食事のメニューが再開できました。 (六古窯珈琲・纐纈(こうけつ)昭男社長) 「物価高は仕方ないとしても、人の問題の方が大きい」 ■飲食店の倒産件数は過去最多に 人気カフェでも閉店 2023年度の飲食店の倒産件数は過去最多の802件。東海3県では「喫茶店・カフェ」が「居酒屋・ビヤホール」と並んで16件でトップでした。 中には、人気があるのに閉店したケースも。平成初期のキャラクターグッズが店内を飾る名古屋市西区の食堂カフェ「むむむ」は、カラフルなクリームソーダや手作りのプリンやケーキなどのスイーツが人気で、多くの若者が訪れていました。 手作りのランチも人気で、お昼時はいつも盛況。牛肉100%のこだわりのハンバーグは、週末だと約50食の注文が入っていたそうです。3年前のオープン以来、多くの客で賑わっていましたが、2024年5月6日に閉店しました。 満席が続くほど客が来ているにも関わらず、利益は伸びなかったと言います。ゆっくり、のんびり時間を過ごせるのがカフェ最大の魅力ですが、店側の目線に立つと、「客単価が低く、回転率が悪い」ということにも。 (むむむ・中村茜音さん) 「客数、客単価、回転率で(売り上げの)マックスが見えている。どれだけ頑張っても、ランチだけで店を経営していくのは厳しい」