【解説】「マイナス金利政策」解除 銀行預金や住宅ローン…私たちの生活はどう変わる?
日テレNEWS NNN
日本銀行は、金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除することなどを決め、17年ぶりの利上げに踏み切りました。経済部・日銀担当キャップの渡邊記者がマイナス金利解除に関する3つのギモン、「マイナス金利とはどういう政策か?」「なぜ今回、解除したのか?」「生活への影響は?」について解説します。
3つのギモン 1:マイナス金利? 2:なぜ今回解除? 3:生活への影響?
■そもそも「マイナス金利政策」とは?
藤井貴彦キャスター 「まず、マイナス金利とは、どういう政策だったのでしょうか?」 経済部・日銀担当キャップ 渡邊翔 「私たちが銀行に預金すると、普通は利息がもらえます。しかし、マイナス金利は、銀行が日銀にお金を預け過ぎた場合に、逆に金利を払わなければいけない。つまり手数料を取られてしまうという仕組みだったんです。かなりイレギュラーな政策ではあるのですが、これによって『日銀にお金を預けるより、使ったほうがいいだろう』と銀行が判断し、個人や企業に積極的にお金を貸すことにより、経済を活性化させることが狙いでした」 藤井キャスター 「確かに、手数料を取られてしまうのなら、銀行にとっては貸したほうがいいわけですね。そうすると、お金が回っていくということですね」
■なぜいま解除? 経済は活性化したのか?
藤井キャスター 「では2つめのギモン『なぜ今回解除したのか』。解除したということは『マイナス金利政策から脱却して、政策で経済を活性化できた』ということなんでしょうか?」 渡邊キャップ 「まさにうまくいったと日銀は判断して、今回解除したということなんです。日銀は、そもそも毎年2%くらい物価がだんだん上がっていく経済が、景気も順調で、企業の業績も良く、そして働く人のお給料もきちんと上がる安定した経済の状態だと考えているんですが、いま物価上昇率は2%をずっと超えています。さらに先週の春闘でも、賃上げ率が途中経過ですが33年ぶりの高水準になりました」 「個人も企業もお金を使う、良い経済の流れができつつあるし、今後も続くだろうと判断して、イレギュラーな政策、いわば経済に対して“行きすぎた治療薬”で治療する、というのはやめようと、解除に踏み切りました。その結果として21日から、約0.1%と少しですが金利が上がります」