「ボーナスを出せなかったので気持ちだけでも」と社長が自腹で3万円のお年玉をくれましたが、これって収入になるの?税金は?
年始に勤務先の社長からお年玉をもらった経験がある方もいるでしょう。また、お年玉について税金はどのように扱われるのか、気になっているという話もよく聞きます。 今回は、「ボーナスが出せなかった代わりに社長からお年玉を受け取った」というケースを例に、税金などの扱いについてどう考えるべきなのか、まとめてみました。
社長個人からのお年玉であれば贈与となる可能性がある
社長から受け取ったお年玉が会社とは関係なく、社長個人のポケットマネーで、その金額が3万円程度であれば税金はかからないと考えられます。 現金を含む、個人間での財産の受け渡しは贈与に該当します。贈与によって取得した財産は贈与税の課税対象となりますが、贈与税は1年間で受けた贈与の合計額のうち、基礎控除額の110万円を超えた部分にかかります。 お年玉以外で、その年に他の贈与を受けていた場合でも、合計額が110万円以下であれば贈与税は非課税となり、申告の必要もありません。また、贈与で受けた財産は収入(所得税の課税対象)としては扱われないため、所得税の申告も不要です。
そもそもお年玉は非課税だが、必ず認められるわけではない
税金に詳しい人なら「お年玉はそもそも非課税では?」と疑問が浮かぶでしょう。実際、その認識は間違っていません。 国税庁「第21条の2[贈与税の課税価格]関係」によると、個人から受ける年末年始の贈答や祝い物のための金品については、贈与に該当するものでも、社交上必要であれば贈与者と受贈者の関係を踏まえ、社会通念上相当と認められる範囲では非課税とされています。 しかし、今回の例は「ボーナスを出せなかった代わり」として、会社の社長から受け取ったお年玉です。それに加えて、社長と従業員という関係性もあり、一般的にお年玉を渡す家族や親せきといった関係とは異なります。 こうした事情によっては、お年玉でも「社交上必要」なもの、および関係性から「社会通念上相当」として、非課税と認められるにはふさわしくないとされる可能性もあり得ます。 そのため、お年玉といって渡されたとしても、贈与税の課税対象となる場合があることにも留意しておいた方がいいでしょう。