「ボーナスを出せなかったので気持ちだけでも」と社長が自腹で3万円のお年玉をくれましたが、これって収入になるの?税金は?
場合によっては社会保険料がかかることも
名目上はお年玉でも、賞与として所得税や社会保険料の対象となる可能性もあります。例えば、お年玉が実質的には賞与であり、渡した目的が会社の社会保険料の負担の削減だった場合です。 厚生年金保険や健康保険などの社会保険料は、通常の給与だけではなく賞与にもかかり、保険料はそれぞれの保険料率を乗じた金額となりなます。 賞与にかかる厚生年金保険料と健康保険料の例で考えてみましょう。仮に3万円のお年玉が賞与だと見なされると、厚生年金保険の保険料率は18.3%で、5490円の保険料がかかります。 健康保険についても保険料率を10%(令和5年度、東京都の例)とすると、保険料は3000円となります。 厚生年金保険と健康保険の保険料は労使折半となるため、会社と従業員(被保険者)が負担するのは合計でそれぞれ4245円です。 賞与の代わりということであれば、社長のポケットマネーで渡したお年玉とはいいつつ、お金の流れを含めて実質的には賞与となる可能性も否定できません。社会保険料の負担を減らすために、お年玉として賞与が支給されたと判断され、社会保険料が生じることも考えられます。
社長から受け取ったお年玉の扱いに疑問を感じたら税務署に相談を
勤務先の社長から受け取ったお年玉とはいっても「ボーナスは出せなかったから」と言われている場合、お金の流れを加味すると贈与ではなく、賞与と見なされて課税対象となる可能性もあります。 ただし、税金については個別の事情によっても対応が異なるので、どのような扱いとなるのかを判断するのは難しいというのが実情です。 賞与の代わりにお年玉としてお金を受け取り、税金の扱いで疑問や不安を感じたときは、自身の住所地を管轄する税務署に相談をしてみてください。 出典 国税庁 第21条の2 《贈与税の課税価格》関係 協会けんぽ 令和5年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます 日本年金機構 厚生年金保険の保険料 執筆者:柘植輝 行政書士
ファイナンシャルフィールド編集部