関西電力の売上高、過去最高 9月中間決算 他電力に販売伸ばす 燃料費調整の差益は縮小
関西電力が30日発表した2024年9月中間連結決算は、他の電力会社への販売が伸び、売上高が前年同期比3・1%増の2兆1365億円で過去最高を更新した。一方、燃料費の変動を料金に反映する「燃料費調整制度(燃調)」による期ずれ差益が減少したことで、純利益が38・3%減の2288億円となった。業績を受けた電気料金の改定について森望社長は「値上げ、値下げともに決まったものはない。経営環境を慎重に見極めながら判断していく」と述べた。 【グラフで見る】東京電力と関西電力の電気代の推移 美浜原発3号機(福井県美浜町)は配管に穴が見つかり、今月15日から運転を停止している。森社長は「1カ月止まることで収支に55億円の影響がある。ほかの電源を稼働させていくので直ちに需給が逼迫(ひっぱく)することはない」と説明した。 一方、27日に投開票された衆議院選挙では、与党の議席数が過半数を割る結果となり、原発推進を掲げる国のエネルギー政策への影響が懸念される。森社長は「(岸田文雄前政権で)力強くエネルギー政策を進めていただいた方向性をぶれずに継続していただきたい」と述べ、原発の新増設やリプレース(建て替え)への支援に期待感を示した。 関電は高浜原発1号機(同県高浜町)が11月に運転開始から50年を迎えるなど、原発の長期安定運転が課題。福井県に約束した使用済み核燃料の県外搬出計画の見直しを年度内に示す。森社長は「新しい知見も取り込んで、しっかりと発電所を守っていく」とした。(桑島浩任)