BRICSは反欧米“多数派工作”の場になるか|週末に読みたい海外メディア記事8本|2024.10.19-10.26
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10月22~24日にロシアのカザンで開かれたBRICS首脳会議は、30以上の国・機関が参加する大規模なものになりました。採択された共同宣言には西側牽制も強調され、「反欧米グループ」形成につなげたい中露の意向が滲むイベントだったと言えるでしょう。 一方で、やはりBRICSの主要構成国であるインドやブラジルはこうした中露に同調せず、これをBRICSの亀裂だとする議論も多くあります。ただ、ほぼ同時期(23~25日)に米ワシントンで開催されたG20およびG7の財務相・中央銀行会議も、強い共同歩調を打ち出したとは言い難い。特にG20は枠組みそのものの形骸化すら指摘されています。 「自由と民主の欧米 vs 強権国家(中露)」という冷戦期の残滓を残した構図が、それぞれの陣営内で相対化されつつある。代わって活発化しているのは、地域ごと、あるいは利害やイシューごとに国家間の連携を築く動きと言えるのではないか。BRICS首脳会議で相次いだ参加国個別の首脳会談、あるいはBRICS拡大に向けて打ち出された「パートナー国」候補にトルコをはじめ欧米とも親密な国の名があることを鑑みるに、「ポスト・ポスト冷戦」の国際社会の姿が鮮明になりつつあることを感じます。
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