円キャリートレーダー、ストレスたまる感謝祭休暇か-荒い値動き警戒
(ブルームバーグ): 円のボラティリティーが再び高まる中で、今年の米感謝祭はキャリートレーダーにとって、十分にくつろぐことができない休暇になる可能性が高い。
利回りの高い資産に投資するために、南アフリカ・ランドからカナダ・ドルに至る通貨に対して、円ショートを構築した投資家は、過去5営業日だけでも2%余りの損失を被った。
過去1カ月間の円キャリーリターンはさらに悲惨な状況で、ブラジル・レアルで約4%、スウェーデン・クローナで3.4%の損失が生じている。
感謝祭の休暇にかけて流動性が薄れる中、一段と激しい円の変動リスクが高まっており、損失の穴埋め、あるいはポジションの積み増しを視野に入れている投資家にとっては、神経質な展開になりそうだ。
キャピタル・ドット・コムのシニア市場アナリスト、カイル・ロッダ氏は「夜も警戒して眠れないような取引状況になっている」と指摘。「ボラティリティーの高さを目の当たりにして、キャリートレードのリスクを抱えている場合は、ほぼ休みがなく、週末までストレスのたまる数日間になるだろう」と語った。
日本銀行が12月の金融政策決定会合で追加利上げに踏み切るとの期待が急速に高まり、今週に入って円はドルに対して2%余り上昇している。
収益性が高いが、潜在的な相場変動リスクをはらむ円を調達通貨としたキャリートレードにとって、日本とその他の国・地域との金利差は重要な要素になっている。
28日のアジア時間の取引では、円はドルに対して一時0.4%安の151円75銭まで下落。前日には1.3%高まで水準を切り上げる場面があった。
原題:Carry Traders Gird for Stressful Holiday With Wild Swings in Yen(抜粋)
--取材協力:Masaki Kondo.
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Ruth Carson, Mia Glass