秋元康が手掛ける新アイドル・Rain Tree誕生「国民的なアイドルグループに」 デビュー発表直後インタビューも
デビュー発表直後最速インタビューで語る決意
――昨年の『IDOL3.0 PROJECT オーディション』の最終審査(10月7日)から1年が経ちました。みなさんは落選してしまったわけですが、なぜここまでアイドルになるという夢を諦めなかったのでしょう? マキ:私はアイドルのオーディションを一度も受けたことがなくて、『IDOL3.0 PROJECT オーディション』が初めてでした。しかも応募要項の年齢上限が25歳までだったので、これが最初で最後のつもりで応募したんです。それに最終審査まで残ることができて、そこまで行けただけでも自分のなかではすごく嬉しかったんですけど、途中から公開オーディションになったことで私のことを応援してくれる方が増えていき、落選してしまった時にファンのみなさんを悲しませてしまったことがすごく悔しくて。私自身もデビューできない悔しさはあったんですけど、それ以上にファンの方たちを悲しませてしまったことのほうが大きくて……なので、今回デビューが決まったことで今まで応援してくださったファンの方たちにようやくいい報告ができることが本当に嬉しいんです。デビューしていない私たちを応援してくださった方への感謝の気持ちを、ずっと忘れずに活動していきたいなと思います。 チャイ:私は学生の頃からずっとアイドルになりたくて、これまでたくさんのオーディションを受けてきたんですけど、年齢的にもこのオーディションが最後かなと思っていたんです。だけど、最終審査の前は正直合格できるとは思っていなくて……。デビューするメンバーには選ばれなかったけど、「事務所に所属して一緒にデビューを目指そう」とスタッフの方が言ってくださった時に、「やっぱり自分がやりたいことはアイドルだし、一度きりの人生だから好きなことをしたい」と思って、この1年頑張ってきました。もちろん心が折れちゃう時もたくさんあったんですけど、応援してくださるファンのみなさんが「FINALISTもデビューしてほしい」と言ってくださって、「応援してくださる方がひとりでもいるなら頑張ろう」と思えたから、ここまで続けられたのかなと思います。 ――「心が折れちゃう時もたくさんあった」とおっしゃいましたが、実際にひたすらレッスンを続けるなかでは、先が見えない日々も続いたと思います。 ペロ:それでも、私にとってはファンの方の存在がすごく大きくて。毎朝、SNSで「おはよう!」ってポストしたらすぐに返事をしてくれますし、リリースイベントをすることになったら毎回会場に駆けつけてくださるんですよ。私は歌もダンスもあまり得意なほうではないんですけど、ファンの方々はイベントのたびに「今日もよかったよ」とか「前よりダンスがうまくなったね」と言ってくださったりするので、その言葉が原動力になりました。 ――みなさんにとってファンの存在はそれだけ大きなものなんですね。その後、昨年12月にWHITE SCORPIONがデビューしましたが、そんな彼女たちの活躍をみなさんはどういう気持ちで見ていましたか? ペロ:正直に言えば、複雑な心境でした。 チャイ:最終審査の日も、(WHITE SCORPIONのメンバーは)合格発表のすぐあとに新しい衣装を着て出てきたじゃないですか。あの瞬間、それまであった世界がパッと変わった気がしました。 ペロ:さっきまで同じ場所にいたのに、急に手が届かないところに行ってしまった気がして、ちょっとツラかったです……。 マキ:(WHITE SCORPIONが)デビューして活躍している姿を目にすると嬉しい気持ちももちろんあるんですけど、「もしかしたら自分もあそこにいたかもしれないんだよな……」って思うとなんとも言えない複雑な気持ちになりました。 ――そんななか、今年9月に発売されたWHITE SCORPIONの1stミニアルバム『Caution』にFINALIST名義のオリジナル楽曲「命しか捧げるものがない」が収録。この曲をいただけたことは、みなさんにとっても大きな自信につながったのではないでしょうか。 マキ:本当にその通りです。デビュー前という存在なのに、私たちのためにオリジナルの新曲を作っていただけるなんて思ってもいなかったので、その事実がまず嬉しくて。歌詞も今の私たちへのメッセージなのかなと思えるような内容だったので、「本当に命を捧げるくらいの気持ちで頑張ってね」という秋元(康)先生からのエールだったのかなと捉えて、メンバー全員で頑張って披露していました。そもそも、それ以前からWHITE SCORPIONのリリースイベントにも出演させてもらっていたものの、私たちは持ち曲がないからトークでつないでいたんです。 ペロ:ファッションの話をしたりしてね(笑)。 マキ:歌やダンス以外のことでつないでいたので、「命しか捧げるものがない」をいただいたことでパフォーマンスができるようになったのはすごく嬉しかったし、ファンのみなさんも私たち以上に喜んでくださったので、これからも大事にしたい一曲です。 チャイ:この曲を最初に聴いたのって、レッスンのあとだったっけ? ペロ:そうそう! チャイ:私はもともと乃木坂46さんが大好きだったから、秋元先生に書いていただいた歌詞を歌えることがすごく嬉しくて。しかも、曲調的にも私が今まで聴いたことないようなタイプだったので、「これを私たち17人で歌ったらどうなるのかな?」ってワクワクしました。 ペロ:最初は「恋愛系の曲かな?」とか想像していたんですけど、実際に歌詞を読みながら聴いてみると私たちのことが書かれているような内容だったので、すごく感慨深かったです。 ――ここからは本日10月8日の記者会見について伺います。みなさんは会見中にサプライズ発表されるまで新しいグループ名でメジャーデビューすることは知らなかったそうですが、事前になんとなく「今日はデビュー発表があるんじゃないか?」と察していたんでしょうか? ペロ:本当に何もわかってなくて、まさかこんなことになるとは想像もしてませんでした。 チャイ:たくさんの人が集まってくださるとは聞いていたけど、「なんでそんなに大掛かりな発表をするんだろう?」とは思っていました。 マキ:私たちは最初、Leminoで新番組(10月18日より配信の『Documentary of another IDOL3.0 ~不合格者17名の再挑戦の物語~』)が始まるから、その発表会と聞かされていたんです。「そんなに大々的に発表してもらえるんだ!」と思ってびっくりしていたんですけど。そもそも期待しすぎたらダメだと思っていたので、余計なことを考えないようにしていたんです。 ペロ:今まで期待しすぎてがっかりすることが何度もあったので。 マキ:なので、デビュー発表があるなんてこれっぽっちも想像できていませんでした。 ――デビュー発表直前には、オーディション開催発表から現在までの活動を追った映像がスクリーンに流れましたが、泣きながら観ているメンバーも多かったですよね。 マキ:私、あの映像だけでかなり泣けました(笑)。 ペロ:映像が流れた瞬間に「あ、これはヤバい……」って泣きそうになりましたから。 チャイ:「や、やめてーっ!」って(笑)。 ペロ:今思い出しても、まだ泣けるもんね(笑)。 マキ:またあとで観たら泣いちゃう気がします。 ――そういう場面も含めて、今日から明日にかけてウェブメディアや地上波のワイドショーなどであの会見の様子が紹介されると思うので、今後いろんな場面で目にすることになると思いますよ。 全員:えーっ!? マキ:まだ実感が湧いていなくて……。 ペロ:ドキドキしますね……。 チャイ:……私たち、本当にデビューするんだよね? ――ドッキリではないと思います(笑)。 マキ:だって、まだ信じられないもんね。 ペロ:実感が全然なくて、今もふわふわしてますから(笑)。 ――新しいグループ名も発表されました。Rain Treeってすごくいい名前ですね。 チャイ:素敵な名前をいただきました! マキ:雨降って地固まるみたいに「雨が降ったからこそ強くなれる」という意味が、一回(オーディションに)落ちたから強くなれるという私たちに重なるので、本当にぴったりな名前だなと思いました。 ペロ:響きもかっこいいし呼びやすいし、きっとみなさんにも覚えてもらいやすいと思うので、たくさん使っていきたいですし、たくさん口に出していきたいです! チャイ:このグループ名がいろんなところから耳に入ってくるようになることが目標です! ――2025年1月のデビューシングルに向けて、表題曲を歌うメンバーを選考するセレクションが実施されることもあわせて発表になりました。また新たな壁が用意されたことに対していろいろ思うこともあるでしょうが、ここからどういう気持ちでデビューと向き合っていこうと考えていますか? マキ:17人全員で歌えないことはやっぱり寂しいんですけど、こういう困難を経てさらにグループとして強くなれるきっかけにもつながるんじゃないかと思っていて。このシステムを通じて一人ひとりのパフォーマンスや意識のレベルを上げていって、グループとしてもっと大きな存在になりたいです。私はこのRain Treeを国民的なアイドルグループにしていきたいと思っているので、そのためにもメンバー間で切磋琢磨していくことは絶対に大事。もっと大きなところで戦っていくためにも、まずはこの課題と真摯に向き合っていきたいです。 チャイ:最初に(セレクション制度を)聞いた時は悲しいというか……17人一緒に歌えないのかなと思ったら寂しくなっちゃったんですけど、それこそ私が好きな乃木坂46さんやAKB48さんも選抜制度を取り入れて長く活動しているし、私が好きなメンバーさんもアンダーで諦めず、腐らずに頑張っている姿をずっと見せていたので。私も選抜に入れても入れなくても……もしかしたらツラくなっちゃうこともあるかもしれないですけど、これが自分がやりたかったことなので諦めずに最後まで頑張りたいなと思います。 ペロ:私も最初は複雑な気持ちになったんですけど、選抜に入れたとしても入れなかったとしても17人全員でRain Treeであることには変わりありませんし、ここから先も諦めずに頑張っていきたいという気持ちが強いので。チャイちゃんが言ってくれたみたいに腐らずに進んでいきたいです。 ――ここからRain Treeとしてのアイドル活動がどんどん本格化していくと思います。みなさんは将来的にどんなアイドルになりたいですか? ペロ:私は元AKB48の渡辺麻友さんが大好きなので、渡辺麻友さんのように女の子にも憧れられる存在になりたいですし、最終的には男性/女性問わず幅広い世代に愛されるアイドルになりたいなと思っています。 チャイ:私は元乃木坂46の齋藤飛鳥さんのようになりたいと思ってアイドルのオーディションを受けてきたので、飛鳥さんみたいな存在になることが目標のひとつ。あと、いつも関わってくださっている周りのスタッフさんやメンバー、応援してくださる方への感謝の気持ちを常に忘れずに、思いやりがあって優しいアイドルになりたいなと思います。 マキ:私は元乃木坂46の白石麻衣さんや山下美月さんみたいに、グループのなかだけじゃなく外でも幅広く活動して、グループを大きくするためにリードできるような存在になれるように、いろんなことに挑戦していきたいと思っていて。グループとしても日本中に愛されて、みんなが口ずさめるような楽曲をたくさん出していけるようになりたいので、アイドルが好きな方だけじゃなくてアイドルに興味がない人にも興味を持っていただけるようなグループにしていきたいです。
インタビュー=西廣智一、イベントレポート=本 手