鍵山優真が初優勝 全日本3連覇の正和コーチとの「父子V」を達成 史上2人目の快挙/フィギュア
フィギュアスケート・全日本選手権第2日(21日、東和薬品ラクタブドーム)来年3月の世界選手権(米ボストン)代表選考会を兼ねた大会。男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)1位の鍵山優真(21)=オリエンタルバイオ・中京大=が合計297・73点で初優勝を飾り、全日本3連覇の父、正和コーチとの父子Vを達成した。中田璃士(りお、16)=TOKIOインカラミ=が2位で、19年大会の鍵山以来となるジュニアでの表彰台となった。 夢見てきたタイトルを、鍵山がついに手に入れた。ライバルが次々とミスするなか、SPに続いてフリーでも質の高い演技を披露。合計297・73点をマークし、新王者が誕生した。 「1ミリたりとも弱い部分を見せてはいけない。絶対勝つという強い気持ちでいきたい」。開幕前から頂点を狙った今大会。21歳が結果を残し、世界選手権の切符もつかんだ。 日本男子は、2012年から12大会に渡り、羽生結弦と宇野昌磨が6度ずつ、優勝を分け合ってきた。2人が引退し、今年は初優勝争いが注目されるなか、鍵山はその重圧を一身に背負い苦しい日々が続いた。 今季は練習からうまくいかないことが多かったが「くじけている間にみんなが頑張っている」。同年代のライバルを頭に浮かべ、気持ちを奮い立たせた。 父の正和コーチは、1991年大会から全日本を3連覇。優真が初優勝し、10年の小塚崇彦以来2人目となる父子Vの快挙も達成した。「あまり考えたことはない。優勝しなきゃと重く考えてしまうから」。そう苦笑いしていた21歳が、胸を張って表彰台の真ん中に立った。(角かずみ)