NUARL、バイアンプ駆動でデュアルドライバ、個人最適化もできる完全ワイヤレス
エム・ティ・アイは、NUARLブランドの完全ワイヤレスイヤフォンで、世界初という「2x2 Soundテクノロジー」を搭載した「Inovatör(イノベーター/正式表記はoの上にウムラウト)」を12月に発売する。価格は82,500円。通常モデルのカラーはBlack Starlight。 【画像】White Porcelain 陶器の「白磁器」からインスパイアされた模様をイヤフォンのトップカバーに施した「White Porcelain」をカラーバリエーションとして用意。ハンドメイド加工によるランダムな紋様は、同じ柄は2つと存在しないオリジナリティを表現するという。全世界で200台の限定生産となる。 高域用と低域用2つのドライバーを搭載するデュアルドライバー構成を採用しつつ、物理的なネットワーク素子を使用せず、それぞれのドライバーに対して個別のアンプ(DAC)を使用して独立制御するバイアンプ駆動方式を採用。 従来のハイブリッドドライバー構成のイヤフォンが抱える、クロスオーバー歪みや音質への悪影響を解消し、更にドライバー毎により細やかな音質調整をも実現した完全ワイヤレスイヤフォンとして世界初のテクノロジーだという。 100KHzを超える超高域再生能力と低歪み、高精度を誇るMEMSスピーカーを高域用に採用。従来のハイブリッド構成に使われていたBAドライバーに対し位相特性に優れるため、より繊細な超広域を再現するという。 低域には、ダイナミックドライバーを採用。振動版に8mm径のLCP(液晶ポリマー)振動板を使用した新開発の「NUARL DRIVER [N8]v4」を搭載。小口径ながらもアクティブノイズキャンセリングに必要な優れた低域再生能力を実現している。 ダイナミックドライバーとMEMSスピーカーを同一音軸上に結合することでマルチドライバー構成に発生しやすい位相ズレを防止。これをアルミ合金鍛造の筐胴に収めアナログチューニングを施した有線イヤフォンにして搭載することで、不要な共振を抑えてクリアなサウンドを実現した。 Bluetooth 5.3準拠。対応コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX Adaptive、aptX Lossless。LDAC、LC-3もサポートする。 様々なカスタムIEMを制作しているイヤフォン筐体制作会社の耳型データベースを基にして、シミュレーションから導き出された複雑な形状の筐体を3Dプリントによって形成。筐体の素材には肌に優しい医療等級の樹脂を使用し、軽快な装着感と高い遮音性を両立した。 使用者の聴覚に合わせた音質の最適化を行なう「Audiodo Personal Sound」を採用。スマートフォンアプリ「NUARL do」を使い、測定した聴覚特性に合わせて、Inovatorの音響特性が最大限に発揮されるように音質の最適化できる。 一般的な聴覚補正技術のような聞こえ難い周波数帯域を持ち上げるのではなく、使用する製品が本来持っている音質が正しく感じられるように独自のアルゴリズムを用いて再生音を補正。 左右の聴覚差や音量による聴覚の変化にも合わせてダイナミックに補正するため、従来方式の音質補正技術に比べ効果の高い聴覚特性の補正を実現したとする。補正したパーソナライズ特性はイヤフォン内に保存。音楽再生用のソフトウェアやハードウェアを変えても常に再生音質が最適化される。 ワン・ダイレクション、アリアナグランデ等、数々のミュージシャンに楽曲を提供しているCarl Falk氏監修の「Audiodo Equalizer」を搭載。従来型のイコライザーよりも直感的に使えるインターフェースで、Audiodoによる聴覚補正に加えて好みに応じた音色の調整が可能という。 Audiodoのオプション機能として、「セーフリスニング」機能にも対応。過度な音量での長時間使用による聴覚障害の抑止を目的とした音量制限機能を搭載した。 コンテンツのフォーマットに関わらず、音楽や動画などどのような音源でも自然な音の広がりを再現し、ライブの様な立体的な音場を再現する機能も後日、ファームウェア・アップデートにて搭載する予定という。 筐体内の物理現象によって起きる歪みを抑え、入力信号に対してより正確なサウンド再生を実現するというT.B.Iの特許技術「HDSS」も採用。カナル型イヤフォンにありがちな頭内定位を防ぎ、奥行きと立体感のある自然な音を再現できるとする。 フィードフォワードとフィードバックを組み合わせたハイブリッドアクティブノイズキャンセリングを搭載。アプリによるモード切り替えや強度調整も可能。通話ノイズキャンセリング機能を備え、低遅延モードもゲームなどで利用できる。 装着感と遮音性を両立した低反発フォーム・イヤピース「Magic Ear+7」、抗菌シリコン素材の「Block Ear+6N」の2種類のイヤピースを付属。iOS/Android端末で使用可能な専用アプリ「NUARL do」も用意する。
AV Watch,山崎健太郎