防護服を着用して負傷者の救助活動に当たる消防隊

　テロ対策を目的とした不審物対処訓練が21日、栃木県大田原市佐良土の県なかがわ水遊園で行われた。大田原署員や県警機動隊員、那須地区消防本部職員、同園スタッフら約60人が参加し、不測の事態への対応力を高めた。 　訓練は不特定多数が集まる施設で化学テロが発生した場合に、関係機関が連携して対処できるようにすることが狙い。おもしろ魚館2階アクアドーム内の通路に、猛毒のサリン入りのペットボトルが置かれた想定で行った。 　この日は同園の休園日で、通報を受けた消防隊員は防護服を着用し、不審物の周辺で倒れる負傷者3人を救助。同園スタッフは無線機などで情報を共有しつつ、来園客役のスタッフに「お客さま、こちらです」などと声をかけ、屋外の救護所テントへ避難誘導した。 　機動隊員は正面入り口付近に除染テントを設け、負傷者の体や衣類の除染作業を実施した。その後、不審物の回収などに当たった。 　訓練後、仲山博隆（なかやまひろたか）署長は「緊張感を持って熱心に取り組む姿勢が見えた。訓練を繰り返すことで練度が上がる。今後も各関係団体と協力して取り組んでいきたい」と話した。