《大谷翔平世代のいま》大阪桐蔭春夏連覇の元主将が起業家に…引退後も「毎朝ワクワク」できているワケ「選手として勝ち目はないですが」
エンゼルスからドジャースに移籍し、今季も活躍を見せる大谷翔平。そんな彼と高校野球、プロの世界で交差した野球人は多い。今年30歳を迎える大谷翔平世代のいまを特集する企画、今回は大阪桐蔭高校で主将として花巻東時代の大谷と戦い、U-18日本代表では共闘した水本弦さん(29歳)に聞いた。(全3回/敬称略) 【写真】大阪桐蔭元主将は“起業家”に…藤浪ら春夏連覇を果たした頃。「大谷17歳ガリガリだけどスゴすぎ…打撃フォームはHR量産中の今と一緒」…高校時代もエンゼルスでもドジャースでも愛されまくりなショウヘイを全部見る 朝練がなくても、1日の始まりは早い。 大阪桐蔭野球部の元主将・水本弦は午前6時頃から体を動かしてひと汗かいて仕事に向かう。束の間のプライベートな時間は、忙しい日々を駆け抜けるために必要な体力づくりの時間でもある。現役を退いて約4年。表情と言葉には充実感がにじむ。
毎朝起きてワクワクしています。やりたいことが多すぎて
「冗談ではなく、毎朝起きてワクワクしています。やりたいことが多すぎて。全てを自分で判断する責任はありますが、仕事をしている実感があります」 水本は“大谷世代”でアマチュア野球界の王道を歩んできた。大阪桐蔭の主将として2012年に甲子園春夏連覇。同級生のチームメートには藤浪晋太郎(現メッツ)や澤田圭佑(現ロッテ)、1学年後輩には森友哉(現オリックス)がいる。頂点に立ったセンバツでは1回戦で大谷翔平(現ドジャース)擁する花巻東に勝利している。 大阪桐蔭卒業後、水本は亜細亜大学に進学した。強豪校で1年春からレギュラーに定着し、日米大学野球の日本代表にも選出された。在学中に5度のリーグ優勝と2度の日本一を経験し、4年生の時は主将を務めている。 その後は東邦ガスで硬式野球を続けた。だが、右膝靱帯の損傷など怪我に苦しみ、2021年に26歳でユニホームを脱いだ。現役を引退してから1年半ほどは東邦ガスに残って社業に専念した。だが、配属されたのはガス管の工事を手配したり、施工を管理したりする部署。専門知識を問われる業務に「戦力になれず申し訳ない」と退社を決めた。 選手としてのキャリアには幕を下ろしたが、野球との関わりは今も深い。 水本は昨年5月、名古屋市で野球経験者に特化した就職・転職支援サービス「リングマッチ」を立ち上げた。平日は朝から夕方近くまで、求職者との面談や野球経験者の採用に興味を示す企業との打ち合わせなど経営者として活動する。
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