元AKB48片山陽加さん、PC使えなくても「会社員向いているかも」と思えたワケ
アイドルや芸人、アスリートとして活躍したあと、セカンドキャリアの道を選んだ人に話を聞く不定期連載。記念すべき第1回は国民的アイドルAKB48の第3期メンバーとしてデビュー。卒業後は俳優として活動するも、コロナ禍をきっかけにゲーム会社の広報に転身した片山陽加さん。後編ではセカンドキャリアを考えるきっかけから現在の活動、今後の目標について聞いた。 【写真】キラキラ眩しい! AKB 48として活動していた頃の片山陽加さん
コロナ禍で1回人生をリセットしようと思うように
――舞台では主演も経験するなど順調にキャリアアップをしていた印象ですが、セカンドキャリアを考えるようになったきっかけは? 毎回舞台を見に来てくれるAKB48時代から応援してくれているファンの方もいて、すごく充実した8年間でした。そんな中、新型コロナの感染が拡大して舞台だけでなく、エンタメ業界がストップしたのがいちばん大きかったですね。それまではお仕事を頂けるうちは、俳優を続けていこうと思っていたので。 ――特に舞台は厳しい状況でしたよね。 感染者が1人でも出たら即中止になる状況だったので。稽古をしたのに開幕前に感染者が出て、公演がすべて中止になったという話も周りから聞いていたので。 私自身はコロナ禍になっても出演する舞台が中止になることはなかったのでそういう点では恵まれていましたが、中止になるかもしれない……という状況で稽古などをする日々に気持ちが疲弊しちゃって。そんな時にワーキングホリデーの制度を知って、短期間で台湾に留学に行ったんです。 ――台湾は行動制限がなかったんですか? 結局、台湾に行ってもオンラインで授業を受けるという日々が続いたのですが、それでも日本語が聞こえず雑音が入ってこないという環境に身を置いたことで、自分を見つめ直すことができたのは大きかったです。 その時に、“このままでいいのかな”と考えるようになって。結局、答えが出ないまま帰国したのですが、モヤモヤは残っていて。舞台はとても大好きだったのですが、コロナ禍で精神的に疲弊していたこともあり、1回人生をリセットしようと思うようになりました。 ――今は兼業タレントもいますが、芸能界を辞めようと思った理由は? 性格的に次の道に進むなら、芸能界はキッパリ辞めないと無理だと思ったんです。ただ芸能界以外で働いたことがなかったので、自分に何ができるかもわからないので、知り合いに片っ端から“ジャンルにはこだわらないので正社員で雇ってもらえる場所はないですか?”と聞いてまわりました。 社会人として何の知識も取り柄もない私を雇ってもらえる場所なら、何でもチャレンジしてみようと思っていました。 ――現在の会社も知人の紹介だったんですね。 飲食店をやっている知り合いに聞いたら、現在の会社の社長が来ていたらしくて。人手を探しているという話を思い出してくれて、紹介してもらいました。それで面接していただいたのですが、元AKB48という肩書きに興味を持ってくれて。元AKB48のキャリアも使えそうということで、広報で採用してもらいました。 ――最初はパソコンも全く使えない状態だったとか。 自分が何を知らないことも知らなくて。だから必要になったその都度、学んでいくという感じでしたね。弊社はすべてリモートワークなのですが、“パソコンを送る”と言われて届いたのがゲーミング用のパソコンだったので、組み立てることもできなくて(苦笑)。電話で上司に聞きながら、何とか組み立てるところからのスタートでした。