<壮行試合速報>侍Jが重盗も決め不安打ち消す大収穫の初勝利!
WBCを目前に控えた侍ジャパンの台湾リーグ選抜との壮行試合が1日、福岡のヤフオクドームで行われ、日本は9安打で9得点を奪って9-1で圧勝、強化試合3試合目にして初白星を挙げた。 日本は調子の上がらなかった山田(ヤクルト)をDHでなく「1番・二塁」で起用、2番には秋山(西武)、DHで内川(ソフトバンク)を6番に入れ、「8番・三塁」で田中(広島)をテストするなどの新布陣で臨み、その山田が先頭打者アーチ。元阪神、横浜DeNAでプレーした先発の鄭凱文の141キロのストレートをレフトのテラス席へ運び先制点を刻んだ。 「こういうバッティングを続けられるように、次からの打席もすべての試合で1球1球集中していきたい」とは山田の試合中のコメント。 前日のゲームでバッテリーの課題を浮き彫りにした日本だったが、この日は菅野(巨人)が抜群だった。WBC球適応を意識したカット、ツーシームを軸にストレートは最速151キロをマーク。要所でインサイドを攻め、三塁を踏まさずに4安打3奪三振の無失点。球数も1次ラウンドの65球制限を考えて58球にまとめた。話題の台湾リーグ4割男、王柏融との対戦は2打数1安打の“引き分け”だった。 「立ち上がりに気をつけた。本番まで試合の残りが少ない中で、しっかり試合を作るよう、テンポを心がけた。小林がうまく引き出してくれた」と、降板後の菅野。 追加点の欲しかった日本は5回に機動力を使う。一死から秋山が右前打で出塁、坂本(巨人)が四球で歩くと、4番・筒香(横浜DeNA)のカウント0ー1からの2球目にダブルスチールを仕掛けたのだ。 前大会のプエルトリコとの準決勝での敗退時に失敗して議論となったダブルスチールを成功させ、二、三塁とすると、筒香の一塁ゴロの処理に相手が手間取っている間に1点。さらに一死一、三塁から「チャンスで回ってきてランナーを返すことだけを考えていた。最低限の仕事はできました」という中田(日ハム)がセンターへ犠牲フライを決めて2点目。タイムリーヒットなしの理想的な展開で3-0とした。 日本は、6回、元巨人の林から無死一、二塁のチャンスを作り、小林の送りバントが絶妙の場所に転がって、相手のミスを誘い1点、さらに筒香の2点タイムリーなどで計4点を加え、7回にも内川の右前打を皮切りに2点を追加した。 守っても2番手の石川(ロッテ)がWBC球への適応が心配されていたシンカーを見事にコントロール。6回から4者連続三振を奪うなど3回を3安打6三振1失点の好内容で安定感を示した。8回は藤浪(阪神)が王柏融を四球で歩かせたが、併殺打などで3人で切り抜け、9回は、小久保監督がロングもできる中継ぎとして重要視している千賀(ソフトバンク)が最速154キロをマークして3人でピシャリ。日本は、攻守に渡って収穫の多いゲーム内容を見せて9-1で圧勝した。