じつは、やってはいけない…交際相手に「理想の結婚」を押し付ける、28歳「育ちのいい女性」の婚活の大失敗
結婚相談所の年齢構成は男女別に特徴がある。 最大のボリュームゾーンは約5~ 6割を占める30代女性だ。次いで女性の場合は20代と40代前半で約1.5割~2割、40代後半以降は約1割という分布となっている。 【マンガ】マイホームは「持ち家」か?「賃貸」か? ついにその「答え」がわかった! 一方男性はというと、20代の男性は相談所にはほとんどおらず1割にも満たない。そこから30代を超えて4割、40代前半が3割、後半は2割と減少幅もゆるやかだ。 条件にはさまざまあるものの、相談所の男女に共通するのは「子どもが欲しい」という希望で、それゆえ男性からの人気は20代女性に集中し非常に高くなっている。今回はその人気の20代女性、羽菜さん(仮名・28歳)の婚活についてお話したい。
24歳で結婚を意識した
相談所にいらっしゃった羽菜さんは、面談で「神奈川の実家に暮らし、司法書士の父親は事務所を開業、母親は専業主婦、2年前に結婚した4歳上の兄は、実家にほど近いマンションに住んでいる」と開口一番に家族のことを話し始めた。 きれいに整った黒髪、淡い色で上品に仕上げたネイル、生地の良さそうなジャケット。メイクや服装での自分の見せ方をはっきりとわかっているという感じで、自信に満ち溢れている。 モテてきたであろう羽菜さんのこれまでの交際相手は、同じ年か1つ2つ年下の男性が大抵だったが、24歳の時にはじめて交際した年上の男性によって、結婚に意識が向くようになる。それが、兄と同じ年齢の悟さん(28歳・仮名)だった。 『イブを過ぎた25日のクリスマスケーキは売れ残り』。かつてはこんな風に、女性の結婚年齢をクリスマスケーキになぞらえて言われたものだが、今時そんな“古風な女性”は絶滅危惧種に近い。 羽菜さんにもそんな考えは毛頭ないだろうが、悟さんとお付き合いしていた当時は、24歳で結婚した自分の母親を頭に浮かべては、友達の親のなかでは、ひときわ若く綺麗な母親が自慢だった小・中学生の頃を思い出し、自分もそんな母親になる夢を脳内に描いたりもした。 ふたりの交際は、しばらくは順調にすすんだものの、結婚を夢見た羽菜さんの理想のが炸裂。しかし羽菜さんが結婚を匂わせたり、夫や父親、家庭像を話すと悟さんは怪訝な表情を浮かべ「『僕のこと、ちゃんと分かってる? 』とよくわからないことを言われるようにもなった」そうだ。 そんなふたりの亀裂は悟さんが自身の両親の上京を伝えたときに決定的なものになった。親戚の結婚式で新潟から上京した際に、羽菜さんを紹介するために夕食に誘ったのだ。悟さんからしてみれば、事実上のプロポーズにするつもりだったのだろう。 しかし、羽菜さんはそれをあっさりと断ってしまったという。 「その日はパパの誕生日なの。毎年、パパの誕生日には馴染みのフレンチレストランで家族そろって食事することになっているから、その日は無理だわ」 田舎で食堂を経営する悟さんの両親はなかなか上京出来ないから、都合をつけてくれないかと懇願されたが、羽菜さんは譲らなかったという。 「私は悪くないと思います。だって、家族の行事をなしにする訳に行かないじゃないですか。結婚するなら、私の両親を私と同じくらいに大切にしてくれる人でないと困ります」 私との面談で羽菜さんはこう言い放った。羽菜さんにとっては当たり前のことなのだろうが、その悪気のなさが人を傷つけることもある。