いつ大地震が起きてもおかしくない日本。玄関、キッチン、リビング…<リスクを減らす片づけ>で「体」だけでなく「心」も守ろう
着なくなった服が押し込まれたクローゼット、本がぎっしり詰まった本棚、使わないお皿だらけの食器棚……。モノで溢れた家にうんざり、という読者も多いのでは。一方、これまでに7000人以上の受講生へアドバイスをしてきた人気整理収納アドバイザー・阿部静子さんは「何があるかわからない時代だからこそ、人生の折り返し地点を過ぎたら片づけたもの勝ち」と断言します。その阿部さんが50代以上に向けて、お手軽片づけ術を伝授。今回は「震災への備え」です。 【写真】東日本大震災のときの著者宅リビング。いろいろなものが倒れ、落ちてきて、床にはモノが散乱しました(写真:著者) * * * * * * * ◆大地震はいつどこでやってきてもおかしくない 間もなく3月11日。東日本大震災から13年の月日が経とうとしています。 今年1月1日にも能登半島で大きな地震がおきましたが、大きな地震は日本のいつどこで起きてもおかしくありません。 著者は仙台で東日本大震災を経験したことから、この連載ではこれまでも地震の多い日本だからこその片づけの大切さ、震災を体験して痛感した備蓄や非常袋の重要性、さらには外出時や車中の備えについてお伝えしてきました。 実際、震災は経験したことではじめて気付かされることが多いもの。 たとえば、大地震が来た後に家の中がどうなるかを知っていたら、整理整頓はもちろん、家具の固定などの対策を必須だと考えるのではないでしょうか。地震では、当たり前のように目の前にあるものが突然、凶器へと変わります。 そこで今回はそうしたリスクを減らす片づけについて、場所別にお伝えしたいと思います。
◆とにかく逃げ道にモノを置かない まず玄関。逃げ道になる重要な場所ですから、日頃から段ボール箱などを積み上げておく、ということがないようにしましょう。 大きな家具があれば、倒れて玄関が塞がれる恐れがあるので注意が必要。わが家は東日本大震災のとき、下駄箱の上のスペースに置いていた鏡が倒れ、玄関のたたきにガラス片が散らばって、とても危険でした。その経験を踏まえ、今は割れやすいものは玄関に置かないようにしています。花瓶も要注意。 また廊下に本棚を置いているお宅も見かけます。倒れて本が散らばれば、やはり逃げ場を失います。 廊下も逃げ道として大事な場所ですから、出来る限り、モノを置かない方がいいでしょう。