ルイ・ヴィトンのファレル・ウィリアムス、成熟した最新コレクションで多様性を祝福する【2025年春夏コレクション】
6月18日(現地時間)、パリ・ファッションウィークでルイ・ヴィトンの最新コレクションが発表された。メンズ クリエイティブ・ディレクターのファレル・ウィリアムスは、自身のスタイルにさらに磨きを掛けたルックの数々を披露した。 【写真82枚】ルイ・ヴィトン2025年春夏コレクションの全ルックをチェック! 6月18日(現地時間)、パリ・ファッションウィークの幕開けを飾ったのはルイ・ヴィトンだった。メゾンのメンズ クリエイティブ・ディレクターであるファレル・ウィリアムスはユネスコ本部の庭園に登場し、「The World is Yours(世界はあなたのもの)」と題されたショーで81のシルエットを披露した。ルイ・ヴィトンの2025年春夏メンズショーについて知っておくべきことを紹介する。 ■ショーの開始は時間通り 最新コレクションを記念して、ルイ・ヴィトンは地球儀を象ったオブジェが鎮座する緑の遊歩道を、メゾンの象徴的なモチーフである巨大なチェッカーボードに変身させた。2024年パリ・オリンピックを控え、複雑な交通渋滞が予想されたため、メゾンはゲストに早めの到着を勧めていた。これはうれしい配慮である。ショーは招待状に書かれた通りの午後8時30分ちょうどに始まったからだ(ほとんどのショーは20~40分遅れて始まる)。 ■色に込められたメッセージ オープニングルックを飾ったのは、比較的シンプルなシルエットだった。精緻なスリムフィットの黒いベルベットスーツに、タンクトップ、ブーツ、そしてメゾンのシグネチャーモデルのひとつである小さな「キーポル」バッグが合わせられていた。しかし、ルックを追うごとに服は明るくなっていき、黒からグレー、トープ、オフホワイトへと変化し、最後はネイビーやグリーン、そしてマルチカラーのカラフルな色合いで締めくくられた。 シルエットとともに、モデルの肌の色も服に合わせてグラデーションのように変化していった。これは、ファレルが多様性と個性の大切さを強調するための、人間的かつ本質的な方法だった。このメッセージをさらに推し進めるため、コレクションのプリントの一部はプレショーのフィルムも手がけたクリエイター集団、Air Afriqueとのコラボレーションで制作された。 ■フロントロウのセレブたち 2023年6月にポンヌフでデビューを飾ったファレルは、ビヨンセ、リアーナ、ゼンデイヤなど、アメリカのスターをフロントロウに総動員した。今シーズンは、オマール・シー、サブリナ・カーペンター、アンダーソン・パーク、タハール・ラヒム、ストームジーとパートナーのマヤ・ジャマ、コールマン・ドミンゴ、ジャクソン・ワンなどが招待された。 なかでも注目のゲストは、20歳のフランス人バスケットボール選手、ビクター・ウェンバンヤマだろう。今年初めにメゾンのアンバサダーに任命されたウェンバンヤマにとって、ルイ・ヴィトンのファッションショーへの出席はこれが初となる。 ■成熟したコレクション ファレル・ウィリアムスにとってルイ・ヴィトンでのショーは4度目だが、これが彼の最も完成度の高いコレクションとなったことは間違いない。昨シーズンに発表されたカウボーイたちから、さらに成熟したように見えた。ブーツカットパンツ、実用的なディテール、テーラリングなど、彼の美学に忠実なフォルムは健在だが、全体的に円熟味を増している。一貫性があり、誰でも簡単にワードローブに取り入れることができるコレクションが生まれた。 ■新たなイット・シューズ誕生? 通常、小さな女の子が履くものとされているTバーシューズが、ルイ・ヴィトンの最新ショーを通してメンズファッションシーンに劇的な登場を果たした。黒のレザーでシンプルに仕上げられた新しいシェイプは、コレクションの緻密なテーラリングに茶目っ気たっぷりのエッジを利かせている。 From GQ France by Adrien Communier Translated and Adapted by Yuzuru Todayama