品川エリアが「広域品川圏」として新たな“東京の玄関口”に 再開発のポイントは「国際化」【Nスタ解説】
■「再開発は『国際化』が必須」 さて、この再開発ではどのようなところがポイントになってくるのでしょうか。街づくり・建築・環境を研究している芝浦工業大学システム理工学部の増田幸宏教授は「人口減少の今、海外から多様な人材を呼び込むには、再開発は『国際化』が必須」と話しています。 実際に高輪ゲートウェイシティでは、外国人ビジネスワーカーに対応した国際水準の住居や、2026年にはインターナショナルスクールが開校する予定です。 増田教授は「品川圏の開発はようやく国際競争の土台づくりが整ってきたといえる。この動きは他の地域にもよい影響を与えるのではないか」とも分析しています。 日比麻音子キャスター: イメージ図を見るだけで迷子になりそうなぐらい、大規模な再開発になりそうですが…。 東京大学 斎藤幸平 准教授: このような富裕層優遇の再開発ばかりする必要があるのかなという気がします。大井町などは子どもの頃からよく使っており、昔ながらの商店街があっていいところです。それが再開発によって、町中が隈研吾さんや安藤忠雄さんのデザインした建築だらけになるのも、私は少し複雑な思いですね。 日比キャスター: どんどんと進んでいて心が追いつかないところもありますが、そもそも再開発というのは、街やエリアにどのような影響や効果を与えるのでしょうか。 ■ビル建築による“ヒートアイランド現象”への配慮は? 東京大学 斎藤幸平 准教授: もちろん地価も上がっていきますし、オフィスやタワマンなどをつくることで街が活気づき、国際化していくという面もあるかもしれません。 しかし大井町などのエリアには、もともと住んでいる人たちもかなりいます。そういう人たちの声がどれぐらい反映されているのかは気になりますし、環境問題などもこれから考えていかなければいけないなか、こういう沿岸部のビルをどんどん建てていくことに、どれぐらい合理性があるのか。そのあたりは、もう少し丁寧な議論が必要ではないでしょうか。