トランプ氏には繊細かつ周到な対応が必要 「鎖国脳」石破首相の語学力や社交術〝外交能力の欠如〟鳩山元首相の二の舞の懸念
特に、トランプ氏相手では、「石破首相=親友だった安倍氏の敵対者」であることを思い出させる発言は禁句だろう。
また、大胆な憲法改正や、自衛隊の行動範囲を大きく広げることも、目算もないのにいう話でない。日米地位協定の改定も、米国では日本の人質司法への懸念から、むしろ「現状より後退させるべきだ」という意見すらあることを知っているのだろうか。沖縄の期待を安直に膨らませるのは、米軍普天間飛行場の移設先について、鳩山氏が「最低でも県外」と発言した二の舞になりかねない。
■八幡和郎 (やわた・かずお) 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。国士舘大学大学院客員教授。著書・共著・監修に『安倍さんはなぜリベラルに憎まれたのか―地球儀を俯瞰した世界最高の政治家』(ワニブックス)、『日本の政治「解体新書」世襲・反日・宗教・利権、与野党のアキレス腱』(小学館新書439)、『民族と国家の5000年史』(扶桑社)、『系図でたどる日本の皇族』(宝島社)など多数。