桃太郎のチームにはモデルが実在した!? 勝運が上がる吉備津神社にてランパンプスが合格祈願!
寺内:屋根が特殊に見えるんですけど、瓦じゃないですよね? 上西:「桧皮葺(ひわだぶき)」と言いまして、薄いヒノキの皮をあの厚みになるまで葺き重ねて葺いているんです。 寺内:いろんなヒノキが裸にされてたってことですね(笑)? 上西:皮を剥ぐとまた綺麗な皮が生えてくるので、木は傷めないんですよ。 寺内:そうなんだ! 作るの大変そう。 上西:桧皮葺は神様に対する屋根材としては最高のものになります。出雲大社さんなども桧皮葺なんですけども、吉備津神社は1つの建物に屋根が2つ並んでいる特殊な形状をしております。通常は本殿が小さくて、人が入る拝殿が大きいんですけども、本殿の方がとても大きいので、1つの建物に屋根が2つ乗っています。「入母屋造(いりもやづくり)」というんですが、ここでしか見られない形式なので「吉備津造(きびつづくり)」と言われています。
寺内:かっこいい! 小林:吉備津神社にはどんなご利益があるんですか? 上西:まず、大吉備津彦の神様が281歳の長命を保って亡くなられたということで健康長寿の御利益がございます。 小林:ちょっと待って(笑)! 何歳っておっしゃいました?
上西:281歳ですね。 寺内:もう300歳でよくない? 小林:なんかちょっと信じさせようとしてるよね(笑)。 寺内:1をつけることによってリアリティーを増してる(笑)。 上西:古事記や日本書記では最初の頃の天皇は長命なんですよ。ただ、1年を2期や4期に分けているなど、数え方はいろいろ説がありますね。それと、やはり桃太郎さんのモデルということで「勝ち」の神様という信仰も厚いです。また、神仏習合と言いまして、神様と仏様が一緒の時代も長いんですけれども、その時には虚空蔵菩薩と習合していましたので、知恵の仏様ということで、学問の知恵を授けてくださる神様としても信仰が厚いです。
小林:受験生にはもってこいですね。 寺内:来る時に、奥に芸能、学問の神様みたいな言葉が見えたんですけど、あれはまた別ってことなんですか? 上西:あれは末社といいまして、小さい神社があるんです。 小林:神社のイオンモールですね(笑)! 上西:その末社の1つで、一童社(いちどうしゃ)というんですが、たくさんの神様を祀られているんですけども、主に学問の神様、菅原道真公と芸能の神様の天鈿女命(あめのうずめのみこと)を祀ってますので、習い事の方がよく参られたり、書の上達を願ったりなど、そういった信仰も古くからあるんです。 小林:それにしてもめっちゃ広いですよね? 上西:約10万坪あります。 寺内:10万坪! 小林:HPで拝見したんですが、鳴釡神事(なるかましんじ)とはどんなものなんですか? 上西:先ほど鬼退治の神話があると申し上げたんですけども、首をはねられた「温羅」は首だけになっても唸り声を上げて止まらなかったんです。そこで、先ほどの犬飼健命の軍用犬に食わせたんですけども、しゃれこうべになった首が、なおも唸り声をあげて止まらなかったのです。そこで大吉備津彦の神様が、竈殿(へついどの)、つまり台所なんですけれども、その窯の火を焚く所の下、2m70cmほどのところに埋めたんです。そうしましても、まだ唸り声が止まらなかったんですが、13年ほど経った頃に、大吉備津彦の神様の夢枕に「温羅」が現れまして「自分の奥さんに大吉備津彦命の食事を作らせてほしい」と、お告げをしたんです。