日本ミニマム級王座狙う金谷勇利 パリ五輪金メダル目指す中大先輩の岡沢セオンと「最高の7月にしたい」
◆プロボクシング ▽日本ミニマム級(47・6キロ以下)タイトルマッチ10回戦 王者・高田勇仁―同級7位・金谷勇利(7月12日、東京・後楽園ホール) WBOアジアパシフィック(P)・ミニマム級6位、日本同級7位の金谷勇利(金子)が7月12日、日本同級タイトルマッチで王者の高田勇仁(ライオンズ)に挑戦する。2月のWBOアジアP同級王座決定戦では小林豪己(真正)に3回TKO負け。2度目のタイトル戦で戴冠を目指す。 中大時代、2学年上だった岡沢セオン(INSPA)がボクシング男子71キロ級でパリ五輪に出場する。普段から連絡を取り合い、公私とも何でも話せる身近な存在だ。タイトルマッチが決まると「良かったな。でも、これが最後だと思って気合い入れて戦え」とゲキを飛ばされた。自身のタイトル戦後の26日(日本時間27日)に五輪が開幕。「金メダルを取ってほしい。勢いを付けるために勝ってベルトを取りたい」と先輩を後押しする白星をと意気込む。 兵庫・相生学院高の後輩である小林との試合では「知っているのもあって、正直甘く見ていた。相手はしっかり対策を取ってきていた」と反省。今回は対戦する高田の映像を何度も見て、長所も弱点もしっかりと頭に入っている。「相手はパンチがある。打たれると調子に乗せてしまうので、触らせないつもりでスピードで翻弄したい」と勝利への青写真を描く。 名前の勇利はアマチュアボクサーだった父・宏之さんによって名付けられた。由来は元WBC世界フライ級(50・8キロ以下)を9度防衛した名王者の勇利アルバチャコフから。同じように強いチャンピオンになることが目標だ。同じように名前をリングネームに付けたWBA世界フライ級王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)を「勝手にライバル視しています」と笑う。 これまでは食が細く、1日2食で普段の体重がリミットの47・6キロ以下だった。食生活から意識を変え、筋力トレーニングにも今まで以上に取り組み、「自然に増量できました」。体の強さ、スタミナがアップ。自信を持ってタイトルマッチに臨める。「圧倒できなくてもいい。とにかくベルトを巻く。岡沢さんと最高の7月にしたい」。全身全霊を懸けて後楽園ホールのリングに立つ。 戦績は25歳の高田が14勝(6KO)8敗3分け、27歳の金谷が5勝(1KO)2敗。 ◇金谷 勇利(かなや・ゆうり)1996年9月7日、福岡市生まれ。27歳。小4から父・宏之さんのお影響でボクシングを始める。相生学院高時代はインターハイ8強が最高成績。中大に進学後、21年5月にプロテスト(B級)合格。同10月にプロデビューした。身長155センチの右ボクサーファイター。
報知新聞社