シンクスコーポレーションがアルミなど製品販価を2月に最大40円上げ。材料価格上昇、自社物流費など転嫁
非鉄金属流通のシンクスコーポレーション(社長・郡司克彦氏)は来年2月3日受注分から製品販価を引き上げる。主要取引先のアルミ圧延大手が運送コストや労務費の上昇を理由に加工賃を引き上げたため、アルミ板・押出製品の仕入れ価格上昇分であるキロ30円を販売価格に転嫁する。またシンクスとしても運送コストや労務費の諸費用上昇により、自助努力だけでは吸収が困難なため、全扱い製品でキロ10円引き上げることを決めた。改定幅はアルミ圧延品(板の一部を除く)がキロ40円、一部のアルミ板、ステンレスや銅板などはキロ10円となる。 シンクスは来年2月から二つの値上げを実施する。一つはアルミ軽圧メーカーの加工賃改定を理由にしたもの。メーカー側は労務費や外注費、物流費、設備保全コストの上昇分を値上げするとしており、シンクスがこれを受け入れた格好。値上げ対象はアルミ板製品(A5052P、アルジェイド、アルハイス、アルジェイド83)、アルミ丸棒製品(A5056B、A2017B、A5052B、A5056ビレット)で上げ幅はキロ30円。A2017板、A7075板は据え置く。 もう一つはシンクスにおけるコスト上昇分を転嫁するもの。メーカー同様にシンクスでも労務費や物流コストが上昇しており、生産性改善や原価低減で対応できない部分を販売価格に織り込む。対象製品はアルミ圧延品やステンレス、銅板など取り寄せ品も含めて扱う全製品。上げ幅はキロ10円となる。 シンクスの郡司社長は「長い時間をかけてメーカーと交渉してきたものの、将来にわたる金属製品の安定確保のためには値上げ要請の受け入れは不可避と判断した。足元では半導体製造装置の需要が緩やかに回復しており、来年にはさらに拡大するという見通しも強まってきた。こうしたマーケットの動きも勘案し、2月からの価格改定を決めた」と述べた。今後、取引先へのアナウンスを進め、顧客の理解を得ていく方針。