圧巻! 今見るべき沖縄の名建築7選【沖縄シティガイド】
沖縄県庁行政棟
沖縄県那覇市泉崎1-2-2 TEL 098 866 2333。8時30分~17時15分。土曜・日曜休。
・〈浦添市図書館〉内井昭蔵(1985年)
市民に愛され大切にされている、心地いい図書館。 優しい光に包まれた閲覧室は、その豊かな空間がどこか北欧の雰囲気をも漂わせる。浦添市の文化ゾーンの一角に建つ図書館で、県内初の市立図書館として計画されたものだ。建築家の内井昭蔵(1933-2002)は菊竹清訓建築設計事務所出身、代表作に〈世田谷美術館〉(1986年)や皇居・吹上御所(1993年)などがある。同じエリアに内井が設計した〈浦添市美術館〉(1991年)があり、11もの塔が立ち並ぶ回廊で繋がれた建築が注目されているが、この図書館は意外と知られていない。
中庭とエントランスには、沖縄の住宅建築で見られる深く庇が出た部分を指す「雨端(あまはじ)」や、目隠しや魔除けの役割を持つ塀「ヒンプン」が取り入れられている。住宅がすべての建築の原点と考えていた内井は、図書館を住宅の延長線上におき、沖縄の民家が持つスケールや伝統的な要素を設計に盛り込んでいる。また室内は、書斎の延長のような、長くとどまりたくなるような図書室を目指したという。
2019年に、「25年以上の長きにわたり、建築の存在価値を発揮し、美しく維持され、地域社会に貢献してきた建築」を登録・顕彰する『JIA(日本建築家協会)25年賞』を受賞している。
浦添市図書館
沖縄県浦添市安波茶2-2-1 TEL 098 876 4946。9時30分~19時。月曜・祝日休(そのほか資料整理のための休日あり)。
・〈那覇市立城西小学校〉原広司+アトリエ・ファイ建築研究所(1987~2018年)
35年かけて完成した、集落としての小学校。 〈首里城〉の一角、守礼門の横に赤瓦の町のような建物がある。実は小学校で、〈首里城公園〉と連続するようなランドスケープを計画したものだ。老朽化のための改築で、1983年に設計が始まり、1987年に30の教室、図書室、職員室、給食室など、2003年に特別教室、2018年に屋内運動場、幼稚園、児童クラブの改築が行われた。