有能人材流出のNY連銀、ウォール街での影響力低下の懸念も浮上
ニューヨークを拠点とする市場参加者の1人は、FOMC会合を控え、金融当局者が発言を控えるブラックアウト期間入り前に、ダラス連銀と定期的な近況報告を実施している。これは同連銀の要請を受けたものだと、この参加者は匿名を条件に明らかにした。
市場の情報収集の面では、ニューヨーク連銀スタッフとの間よりも、ダラス連銀との協議の方が一段と広範囲に及ぶという。ダラス連銀はコメントを控えた。
市場と金融政策との交わりを巡る考察に関し、投資家はローガン総裁に加え、ハマック次期総裁の発言に耳を傾けるようになる可能性がある。ゴールドマン・サックス・グループ出身で、メスター総裁の後任となるハマック氏は米財務省借入諮問委員会(TBAC)の委員長を務めた経歴も持つ。
ウィリアムズ総裁は先月、ハマック氏の指名について記者団に対し、「連邦準備制度の強みの一つは、さまざまな異なったバックグラウンドを持つ人々を擁することであり、彼女はそれに加わることになる」とコメントした。
ニューヨーク連銀の報道官はブルームバーグ・ニュースの問い合わせに対し、同連銀には「金融市場と金融機関、金融市場構造について比類のない理解がある。市場分析と、連邦準備制度および全ての米国民のための経済強化を支える金融政策の実行で、われわれは卓越した実証済みの実績がある」と説明した。
ウィリアムズ総裁は、自然利子率を巡り広く引用されているモデルの共同執筆を含め、アカデミックな分野での才能で知られている。これは経済の変数や政策枠組みに関する議論では強みとなるかもしれないが、ウォール街に対する米金融当局の目や耳として、政策運営の仕組みに責任を持つ地区連銀としての役割にはあまりそぐわないとの批判もある。
現在、連邦準備制度の債券ポートフォリオに当たるシステム・オープン・マーケット・アカウント(SOMA)を統括しているのはロベルト・ペルリ氏で、マーケッツ・グループはミシェル・ニール氏が率いている。