【日本市況】株式が大幅反発、米大幅利下げ観測後退で円高一服
(ブルームバーグ): 12日の日本市場では株式相場が大幅反発。日経平均株価の上昇率は3%を超え、上げ幅も1200円超といずれも約1カ月ぶりの大きさとなった。米国でインフレ指標を受けて大幅な利下げ観測が後退し、為替相場の円高進行が一服。輸出企業の業績下振れ懸念が和らいだ。
東証株価指数(TOPIX)の上昇は7営業日ぶり、日経平均は8営業日ぶりとなる。前日に8カ月半ぶり高値となる1ドル=140円71銭を付けた円相場は、一時142円台後半まで反落。米金利の上昇や20年国債入札の弱めの結果を受けて、債券相場は下落(利回りは上昇)した。
11日発表の8月の米消費者物価指数(CPI)で食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが予想外に加速。市場では来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ幅が通常の25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)にとどまるとの見方が強まった。
米CPI、コア指数が予想外に伸び加速-大幅利下げの可能性低下 (3)
野村証券の伊藤高志シニア・ストラテジストは、日経平均がここ1週間で大きく調整していた理由は為替だったと指摘。9月のFOMCでの50bp利下げ説が円高を加速させていたが、米CPIを受けて円高の圧力がいったん取れた印象と話した。
12日には8月の米生産者物価指数(PPI)が発表される。一方、欧州中央銀行(ECB)は12日の政策委員会の会合で、6月に続き25bpの利下げを決めると予想されている。
ECB、0.25ポイント追加利下げへ-2.5%まで小刻みな緩和継続か
国内では日本銀行の田村直樹審議委員が岡山県金融経済懇談会での講演で、2026年度までの見通し期間の後半には1%程度までの利上げが必要との見解を示した。前日の中川順子審議委員に続く発言で、円相場は下げ渋る場面が見られた。
少なくとも1%へ利上げ必要、市場動向配慮し段階的に-田村日銀委員
株式
東京株式相場は大幅反発。為替の円高一服により自動車など輸出関連株に買いが入ったほか、米国の半導体関連株高を受けて電機や機械も高く、東証33業種は全て上昇した。