定位置に戻った山梨学院の4番 初打点も「満足してない」 センバツ
◇センバツ高校野球第8日(27日)3回戦 ○山梨学院7―1光(山口)● 「打順はあまり意識しない」と言う。だが、「定位置」に戻った途端に結果を出せる勝負強さを見せた。今大会初めて4番に座った山梨学院の高橋海翔(ひろと)に、待望の甲子園初打点が生まれた。 【光vs山梨学院の熱戦を写真で】 3―1とリードした六回1死一塁、右打席に入った。外角への直球は「待っていたわけではなかった」が、うまく反応してバットの芯で捉えた。後ろにつなぐ意識を持ち、逆らわずに運んだ打球が右翼フェンス際まで伸びた。適時三塁打で、試合を決定づける4点目をもたらした。 1年夏から4番を任され、高校通算本塁打が40本を超える今大会屈指のスラッガー。昨年も春、夏に甲子園の土を踏んで安打を放ったが、適時打はなかった。「やはり甲子園だと力が入っていた」 今大会の1、2回戦は「気負いすぎないように」と吉田洸二監督の気遣いで3番だったが、3試合目は「野球の点数が入る打順」(吉田監督)である4番に戻った。 高橋は基本であるセンター返しをもう一度意識し、この日の打席に立った。甲子園自身5試合目で生まれた初打点に、「これまでふがいなかった。気持ちよかったです」と笑みがこぼれた。 直前の六回、一塁手としての守備でも殊勲打へ弾みをつけるプレーがあった。一塁線を抜けそうな鋭い当たりに素早く反応し、ダイビングキャッチでアウトにした。「打てない時こそ守備が大事」と反撃の芽を摘み、気持ちが乗っていた。 吉田監督は「(高橋は)本当はもっとめちゃくちゃ打つんです」と強調する。山梨学院は甲子園に春夏計16回目の出場で初めて8強に進んだ。しかし、高橋は「全然満足していない。どんどん勝ちたい気持ちが強くなる」。ベスト8で立ち止まるつもりはない。【川村咲平】