もはや地球が壊れかけている…日本でも十分起きる!世界中で猛威を振るう″殺人豪雨″の驚愕写真
猛威を振るう”殺人豪雨”
未曽有の天災が世界中を襲っている。 9月7日、ベトナムに上陸した台風11号は上陸から1週間で250人以上の命を奪った。この豪雨による被害総額は4900億円に上るともいわれている。台風11号が熱帯低気圧に変わった後も大雨は降り続け、同じく被害を受けたミャンマーでは約220人が死亡。63万人もの洪水被災者が発生した。気象予報士の村山貢司氏が解説する。 【画像】胸まで水につかるほどの冠水…世界各地が壊滅的状況「驚愕写真」 「台風11号のように、24時間の降水量が200mmを超える規模の雨は当たり前になってきた。仮に東京23区で同レベルの豪雨が発生すれば、海抜0m地帯が多い江東区や江戸川区を中心に、数百人規模の死者が出る可能性があります」 異常気象の犠牲になったのは東南アジアだけではない。9月13日から16日にかけてヨーロッパで発生した集中豪雨は、中東欧の街を水没させた。チェコでは8人が死亡し、25万世帯が停電した。 ◆日本でも起こりうる なぜいま、世界各地で″殺人豪雨″が頻発しているのか。三重大学生物資源学部の立花義裕教授はこう分析する。 「欧州での豪雨には、寒冷渦(かんれいうず)という気象現象が関係しています。寒冷渦は強い寒気を伴った低気圧の一種で、本来は偏西風に乗って東に移動していくのですが、今回は偏西風が弱かったので被害を受けた地域に停滞していた。その寒冷渦が海水温の上昇によって大量の水蒸気を取り込んだことで、降水量が増えて被害が拡大したのです。ベトナムやミャンマーの豪雨も、大量の水蒸気を取り込んだ台風11号が勢力を強めたことが要因です」 近年の豪雨の一因となっている台風や低気圧の停滞を、立花教授は「根本の原因は温暖化にある」としてこう続けた。 「偏西風の強さは、ヨーロッパ南部などの低緯度の地域と北極との温度差で決まります。温度差が大きければ強い風になりますが、近年は北極の温暖化の影響で温度差が小さくなり、偏西風が弱まり激しく蛇行している。従来は偏西風に乗って移動していた低気圧や前線が一つの地域に停滞しているのです」 気象庁によると、1時間に80mm以上の猛烈な雨はこの40年で約2倍に増加している。前出の村山氏が警鐘を鳴らす。 「日本付近でも海水温は上昇し、雨雲が発達しやすい状況が続いている。最近は、総雨量500mmクラスの豪雨も頻発しています。ベトナムやミャンマーと同じような災害は、日本でも起こりうるのです」 もはや国レベルではなく、地球規模での対策が求められている。 『FRIDAY』2024年11月1・8日合併号より
FRIDAYデジタル