今回の衆院選は、今秋の運動会などの日程にも影響を与えている（写真と本文は関係ありません）

石破茂首相が、1日の就任から投開票まで戦後最短の日程で衆院選（15日告示、27日投開票）に臨む方針を示し、各地で混乱が広がっている。文化祭や運動会といった学校行事が多い時期だが、急きょ体育館を投票所として明け渡すよう求められ、行事の中止や延期を余儀なくされるケースも目立つ。大きなスポーツイベントの日程にも影響が出始めている。 【画像】次期衆院選での「政党議席予測」（5月27日時点） ■開催規模を大幅縮小 「対応が追い付かない」 千葉県内の小学校でPTAの役員を務める50代男性は、学校からの突然の電話連絡に戸惑った。 この学校では、土曜日にあたる26日にPTA主催のバザーを行う予定だ。衆院選の投開票日は翌日のはずだが、学校側は、体育館が投票所となる事前準備のため、前日の昼ごろまでに校内施設を明け渡さなければならなくなったと説明した。 バザーは午前中から午後3時過ぎまでの予定で、例年通り、焼きそばなど軽食の即席調理と販売も準備してきた。男性は「食材の販売数を落とすなど、開催規模を大幅に縮小せざるを得ず、計画を練り直さなければならない」と頭を抱える。 ■全国大会にも影響 投開票が比較的早い日程となったことは、大規模なイベントの運営にも影響を与えている。 全日本実業団自転車競技連盟は3日、福島県石川町で26、27日に予定していた自転車イベントの中止を発表した。 同連盟は公式HPで「代替地を含めて検討して参りましたが、残念ながら標記大会の開催について中止することを決定しました」とコメント。参加料の返金手続きなどを進めている。町職員がボランティアなどで協力し、大会を運営する予定だったため、選挙対応の業務を優先せざるを得ず、人手不足に陥っているという。 また、佐賀県嬉野市では、これまで投開票所として使っていた市中央体育館が、全国障害者スポーツ大会のボッチャの会場となっている。市の選挙管理委員会は、投票所を市役所１階ロビーに、開票所を市中央体育館から約10キロ離れた中学校の体育館に変更した。 市選管の担当者は、「平日は授業があり、準備の時間が限られている」と困惑する。中学校の体育館には空調設備がなく、開票作業への影響を懸念している。担当者は「投票は有権者の権利の執行なので、影響が出ないように気を付けたい」と話した。