〈食べログ3.5以下のうまい店〉これぞ通いたくなる店。飲んで食べて1万円でお釣りがくる、用賀で話題の和食店
サワラは皮目をサッと炙り、金目鯛は皮目に軽く塩をして霜降りにするなど何気ない一手間がお酒をさらにおいしくしてくれる。醤油ではなくフランス産ゲランドの塩で食べさせる趣向も、魚本来の味を舌に感じてほしいとの思いゆえだ。
ちなみに金目鯛は伊豆下田から。「金目鯛は、サイズが大切。少なくとも1kgはほしいですね。脂ののり方、身の張り具合いが、やっぱり違うんです」と与那覇さん。それゆえ、一尾を余すところなく使いきる。アラはだしに、そして頭は「本日のかぶと焼き」として登場。それが1皿1,480円の手頃さだ。
乱切りの蓮根の歯応えが痛快「レンコン素揚げのり塩パンチ」
伊豆の金目鯛や熊本の赤牛といった特別な食材があるとはいえ、メニューの大半は、豆腐に卵、きゅうりやトマト、とうもろこしなど旬の野菜を使ったどこにでもある普段使いの味。だが、豆腐は自家製の青唐辛子と茗荷の醬油漬けをのせて冷奴に、とうもろこしは素揚げにしてクミン塩で、とさりげない一捻りが実に痛快。乱切りにした蓮根の揚げ物にしても、ここではのり塩味で登場。その名も「レンコン素揚げのり塩パンチ」。ネーミングも粋だ。
酒を飲んだ体にじんわり染み入るおいしさ「奄美名物油ぞうめん富田流」
季節の食材を積極的に取り入れているため、メニュー内容は少しずつ変わっていくが、不動の一皿が、〆の「奄美名物油ぞうめん富田流」。修業先譲りの銘品だ。元々は奄美大島の郷土料理で、黒糖焼酎で知られる「富田酒造場」のご主人・富田さんから教わったもの。
作り方は至って簡単。オリーブ油で煮干しを炒め、そこに水を注いでアクアパッツァの如く沸騰させたら、酒、塩、奄美のだし醬油で味付け。茹でおいた素麺を投入し、一煮立ちしたら完成だ。
具は炒めた煮干しのみの素朴な料理ながら、油のコクと煮干しの旨み、そしてまろやかな塩味が三味一体。どこかほっとするおいしさは、飲んで食べた後には最良の一杯と言えるだろう。
さまざまな部位を入れてじっくり煮込んだ「あか牛の牛すじカレー」
また、赤牛の牛すじやアキレス腱をたっぷり使って作る「あか牛の牛すじカレー」も見逃せないおいしさ。チャツネと野菜の甘みを生かした欧風タイプ。リッチな味わいの自信作だ。