〈食べログ3.5以下のうまい店〉これぞ通いたくなる店。飲んで食べて1万円でお釣りがくる、用賀で話題の和食店
その思い通り、オープンして一年も立たぬうちに、地元でも評判の人気店に。中には家族連れで訪れる方々もいるほどだ。それも、前菜からシメの食事までざっと60種余りが並ぶ豊富なアラカルトメニューを手にすれば合点がいく。値段も手頃なうえ、さりげなく小技を効かした一品一品が実に魅力的なのだ。
シンプルに芋の味を生かした「ポテトサラダ」に「枝豆の蒸し焼き」「鰻ときゅうりのザクザク酢の物」といった前菜から炒めもの、煮込みもあれば、揚げ物も「目白の海老カツ」や「御殿場のハムカツ」「大山鶏腿肉の唐揚げ」等々食指の動くアイテムが目白押し。さらには「本日の焼き魚」や「赤牛イチボの炙り焼き」などの焼き物も充実。〆の食事に至っては「お刺身海鮮丼」から「赤牛の牛スジカレー」シンプルな「塩むすび」までバラエティも豊富。思わず、あれも食べたいこれも食べたいと悩むこと必至!
驚くべきはそれだけではない。なんと料理担当はほぼ与那覇さん一人! にもかかわらず、それほど時間を空けずに料理が提供される手際の良さには感服。オーダーに煽られる事なく嬉々として料理を作る与那覇さんがこう語る。「修業先の赤坂『夢葉家まるしげ』では、アラカルトがこの倍以上もあるうえ、席数も75席と大箱。そんな状況下で次々とランダムに入ってくるオーダーを2~3人でこなしていましたからね。かなり鍛えられました」
大変ではあったものの、働くうち「カウンター仕事の楽しさにすっかり魅せられてしまいました」という与那覇さん。もともとは海辺のペンションのオーナーになりたかったはずが、いつしか街場の酒場の主へと進路変更。丸12年「まるしげ」でみっちりと料理のノウハウとお酒の知識を叩きこみ、念願叶って、独立を果たしたというわけだ。
魚介の質の良さを実感。店主イチ押しの「刺身盛り合わせ」
「お客様の反応がダイレクトにに伝わってくるのが何より面白い」と目を輝かせる与那覇さん。それゆえ、食材選びにも、つい熱が入る。中でも、魚は気合いを入れて仕入れているそうで「用賀からは豊洲よりも近い「川崎北部市場」の信頼のおける仲卸に任せています」とのこと。お客の負担にならない範囲内で、出来る限り質の高い魚を提供している。それは、与那覇さんイチ推しの「刺身盛り合わせ」を食せば一目瞭然。内容は海の都合に合わせて日々少しずつ変わるそうだが、取材日は、サワラ、金目鯛、水だこ、生雲丹の4種で一人前1,380円。