グリコ 「プッチンプリン」が消えて約1カ月 システム障害の影響で経営に大ダメージ 専門家は「2025年の崖」に警鐘
容器の底にあるツマミを折るとプリンがツルン。発売50年を超える江崎グリコのロングセラー商品「プッチンプリン」が商品棚から消えてから1カ月近くが経った。 【映像】「プッチンプリン」が消えたスーパーの商品棚 このスーパーではほかにも10を超えるグリコの商品が消えている。 「商品の供給がないので、店としても大きく売上にも響いてくる。他のメーカーの商品をあてがって、売り場を埋めているという状況」(スーパーマーケットセルシオ和田町店食品担当・久保田浩二さん) こうした事態の要因は、4月、基幹システムを更新した直後に発生したシステム障害。システム上の在庫数と現実の在庫数が一致しなくなったのだ。 なんとか乗り切る方法はないのだろうか。 「大量に発送したり、いろいろなものを作ったり、配送先もいろいろある。今は完全にコンピューターに頼っているが、コンピューターの代わりに人がやろうとなると、さらに失敗をしていくという可能性が高くて、システムの復旧を待つという状況になってしまう」(神戸大学大学院・森井昌克名誉教授、以下同) 経営への打撃は深刻だ。グリコは5月8日、システム障害の影響によって2024年1年の売上高が、当初予想の3510億円から150億円減少し、3360億円になるという見通しを示した。最終的なもうけを示す純利益は、これまでの予想より40億円少ない110億円になる見込みで、増益予想から一転、減益だ。システムの復旧作業は思うように進まず、出荷の再開時期は決まっていない。 こうした問題は、多くの企業がシステムの更新時期を迎える2025年以降、多発する可能性が指摘されていて「2025年の崖」とも呼ばれている。 「各社こういう状況が起こりえるということで、対策を取っていかないと大きな損失になる。システムが動かないだけではなくて、経営に非常に関わってくる」 経済産業省は「2025年の崖」による経済損失が12兆円に上ると試算していて、早急な対策が求められる。(『ABEMAヒルズ』より)
ABEMA TIMES編集部