「葛藤の連続(笑)」元Jリーガーの娘が全日本Jrテニスで活躍 送迎に明け暮れた車内で「口を出したい気持ちをこらえた」母と娘の関係性
高校生になったころにはインターハイと全日本ジュニア大会に出場することができましたし、高校2年生のタイミングで大人が参加する全日本選手権大会にも出場するようになりました。そして2024年に入ってから全豪オープンの推薦枠をかけた試合で優勝し、グランドスラムのひとつである全豪オープンジュニア本戦に出場。その後の試合で大人の世界ランクを獲得しました。現在高校3年生ですが、高校生のあいだに急成長して、急に世界が近づいたような印象で親としても驚いています。
■つい口を出したくなる気持ちをグッとこらえて ── 食事面では黄川田さんがジュニアアスリートフードについて学んでサポートされていたそうですが、食事以外の部分は元Jリーグの選手だったご主人からも元アスリートとしてアドバイスがあったのでしょうか? 黄川田さん:そうですね。休養や睡眠について、心のケアについては夫のほうが詳しいです。心のケアというのは、たとえばコーチとの相性や、試合後の親の声かけなどです。幸い娘は信頼できる指導者と巡り合えたのですが、やはり個人スポーツなので、コーチとの相性やストレスを感じていないかというのは気にしていました。心の中は見えない部分ですし、テニスが好きで楽しく取り組むのが一番大切だと夫も言っていたので「練習に行きたくないと思っていないかな、楽しめているかな」というのは常に様子をうかがっていました。
── たしかに指導者との相性やメンタルの部分も大切ですね。 黄川田さん:そうですね。でも、指導者と選手の関係もですが、実は親子関係もとても大切です。 テニスは送迎などで親がつきっきりになるため親子関係が近く、そこがこじれるとプレイにも影響が出るんです。試合に負けて責めたり、軽い気持ちで「なんであそこができなかったの?」などと親が口を出してしまったりすると、帰りの車中が重い雰囲気になってしまいます。その結果、子どもが「テニス楽しくないな」「試合楽しくないな」「もうやりたくないな」という思考になってしまったら夢の実現からは遠のいてしまいますよね。そのあたりは口を出したい気持ちをグッと抑えて自分もコントロールするよう気をつけていました。