知らぬ間に「新幹線そのもの」がインバウンドの観光名所に! 熱狂の理由とは?
新幹線の魅力、観光目的化
訪日インバウンド客数は、新型コロナウイルスの影響で大きく減少した後、急速に回復し、最近では毎月過去最高を更新し続けている。円安の影響もあり、インバウンドは急増しているが、リピーターや長期滞在するインバウンドも増加しており、来日時の情報がSNSで拡散されることで、予想外の場所が観光名所となっている。その一例が「新幹線」だ。 【画像】「すげぇぇぇ!」これがJR東海の「平均年収」です! 画像で見る(10枚) 初来日のインバウンドの観光都市として、東京、京都、大阪が挙げられる。新幹線はこれらの都市を最短2時間から2時間半で結ぶ公共交通で、利便性の高さからインバウンドにも多く利用されている。しかし、単なる移動手段としてだけでなく、新幹線はインバウンドの観光名所にもなっているという。 「新幹線そのもの = 観光名所」 になる理由は何だろうか。SNSでのコメントを見てみると、インバウンドにとって新幹線は 「日本文化を感じる場所」 となっているようだ。新幹線は定刻通りに発車し、定刻通りに到着することが非常に日本的だと感じられるという。もちろん、新幹線も遅延することはあるが、日常的には秒単位で管理されており、ここまで時間通りに運行している列車は世界的にも珍しい。 インバウンドにとって、新幹線に乗って「時間ぴったりに着いた」と実感すること自体が、日本文化を体験するひとつの方法となっている。
高速走行と快適設備
車内が常に清潔に保たれ、ゴミが散乱していないことや、整然とした雰囲気も日本的だと感じられるようだ。停車中の短時間(1車両7分間)で、ピンクや青の制服を着た清掃員「ドレッサー」が驚くほど素早く手際よく清掃を行う様子は、 「7分間の奇跡」 「新幹線劇場」 と呼ばれ、多くのインバウンドがホームからその様子を見て感心している。この清掃の様子は過去にCNNで取り上げられ、ハーバード大学の経営学の教材にもなったことがある。 もちろん、高速の乗車体験を楽しみにしている人も多いが、時速300km前後のスピードにもかかわらず、スムーズで揺れが少ない技術に驚くインバウンドも多い。設備面では、 ・座席の座り心地 ・リクライニング機能 ・コンセント ・読書灯 ・広いレッグスペース ・調整可能なフットレスト(グリーン車など一部の車両にある設備) などが素晴らしいとSNSで称賛されている。また、座席の壁にある多目的フック(爪が出てコートなどを掛けることができる)にも注目が集まっている。 車内が静かで秩序が保たれていることも、日本らしさの一部と見なされている。新幹線はビジネス利用も多く、車内で仕事をしたり、睡眠をとったりする人が多いため、大声で騒がないように家族連れも配慮している。このような静けさは、インバウンドから見ると日本のイメージにぴったりだと感じられるようだ。また、新幹線に乗車する際に整然と順番を守って待っている様子も、日本人らしいと評されている。