「笹団子の笹むいちゃいました」!?新潟市東区の港製菓が"ササなし"笹団子発売 巻き手やササ不足...商品で問題提起
新潟名物の笹団子を取り巻く現状を知ってもらおうと、餅菓子製造の港製菓(新潟市東区臨港町3)は、ササで巻かないよもぎ餅を発売した。パンダを前面に出したパッケージには、笹団子のひもを縛る作業を担う「巻き手」が減っていることを連想させる物語仕立てのイラストを掲載。港製菓は「かわいい見た目だが、大真面目に作った」としており、笹団子への思いが詰まった商品だ。 港製菓は、笹団子の生産数が全国トップ(港製菓調べ)。ただ、年々深刻化する巻き手不足のほか、「採り手」の高齢化などによるササの供給不足に直面する。港製菓は「10年後もササに巻き、スゲで縛った笹団子を食べられる保証はない」との危機感から、問題提起の意味も込め商品を開発した。 商品名は「笹だんごの笹むいちゃいました」。よもぎ餅は、港製菓が普段作る笹団子の団子と変わらないが、パッケージにこだわった。ササを食べることで知られ、幅広い年代に親しまれるパンダをキャラクターに採用。パンダとおばあちゃんが掛け合いをするイラストを描いた。 8月から販売し、「かわいい」との反応の一方、「笹の香りがない」との声もある。商品の発案者で営業部の大平憲一さん(51)は「なぜこうした商品ができたかや、笹団子の現状に思いを巡らせてほしい。笹団子の文化を残していきたい」と話している。 3個入りで参考価格321円(税込み)。県内のスーパー原信、ナルスなどで販売している。