『FLASH THE FIRST TAKE』10月度出演アーティストまとめ【水曜日のカンパネラ/o.j.o/汐れいら/MHRJ/Wez Atlas/ASTERISM】
『THE FIRST TAKE』の新企画としてスタートした『FLASH THE FIRST TAKE』。60秒という短い時間での一発撮りパフォーマンスに挑戦。アーティストが表現する一瞬、一瞬をダイレクトに感じとれるコンテンツになっている。 【動画】水曜日のカンパネラ – シャルロッテ / FLASH THE FIRST TAKE ここでは、10月に公開された動画をまとめて紹介する。 ■水曜日のカンパネラ「シャルロッテ」 詩羽をフロントに据えた新体制もすっかり定着した水曜日のカンパネラが披露したのは、LOTTE『ガーナ』タイアップソングでもある「シャルロッテ」。MVと同じく歌詞に合わせた赤と金色の華やかな衣装に身を包んだ詩羽が、「聴いてくださる皆さんに60秒でハッピーになってもらえるように、私が1番ハッピーな気持ちで歌いました」というコメントのどおりの明るい雰囲気でパフォーマンスする姿は、こちらを掛け値なく楽しい気持ちにさせてくれる。緊張感を前面に押し出すアーティストも多いなか、にこやかさを絶やさず歌い切った詩羽だが、そんな表情をたっぷり堪能できるのも短い時間のなかで正面に寄ったアングルを効果的に活用する『FLASH THE FIRST TAKE』ならではだ。このグループのトレードマークとも言うべきキャッチーで爽快なエレクトロサウンドも、1分間で一気にクライマックスを迎えるこの企画との相性ばっちり。 ■o.j.o 「PEOPLE DEMON」「Bah!」 「PEOPLE DEMON」と「Bah!」の2曲を披露したo.j.oの年齢はなんと13歳。中学2年生の彼女が本企画へ史上最年少での出演を果たした。小学6年生から作曲を始めて、今では作詞・作曲・編曲・振付まで幅広く手掛けるアーティストに成長している彼女はこれまでライブの経験もなし。初めての人前でのパフォーマンスが『FLASH THE FIRST TAKE』というキャリアはデジタルとソーシャルメディアが当たり前の時代ならではだろう。メロディアスなトラックに年齢離れした落ち着いた声色のラップが乗る「PEOPLE DEMON」とダークでクールな雰囲気が伝わる「Bah!」の振れ幅の大きさに、表現者としての懐の深さが表れている。特に「Bah!」のラスト数秒、不思議なムードを漂わせるダンスとラストの挑発的な表情はこの動画のハイライトシーンだ。この先さらに大人っぽく成長していくのか、それとも少女らしさが垣間見えるのか、次の展開が楽しみである。 ■汐れいら 「センチメンタル・キス」「味噌汁とバター」 見ているこちらも胸が苦しくなるような切なげな表情を正面から捉えたカットが印象的な「センチメンタル・キス」と、アコースティックギターを楽しそうにかき鳴らしながら笑顔で歌う「味噌汁とバター」。アーティストが楽曲を表現する姿があますところなく映し出される『FLASH THE FIRST TAKE』の良さを最大限に生かしたステージングで、対照的なムードの2曲を披露したのがシンガーソングライターの汐れいらである。アッパーでハッピーな「味噌汁とバター」の踊りだしたくなるようなリズムを歌いこなす彼女のボーカルも聴きごたえ十分だが、やはり白眉はアコースティックVerのMV再生数が942万回を記録している「センチメンタル・キス」だろう。特徴的なブレスや語尾の切り方を駆使して曲のメロウな雰囲気を最大限に引き出し、絶妙な余韻を残して終わっていくこの曲のパフォーマンスは、これまでの本企画を通したなかにおいても強い印象を残す。 ■MHRJ 「君の変」「いいことがしたい」 トレードマークのターバンを外して青色を基調にしたマッシュルームカットを披露。「マハラージャン」としての活動を終えて、新たな名義で出発したMHRJが『FLASH THE FIRST TAKE』に登場した(と言いつつ、「改めて言いますが、こう見えて私はマハラージャンです」というお茶目なコメントも残している)。アッパーなトラックにまくしたてるようなボーカルが乗る「君の変」、横に揺れるグルーヴが心地よいマハラージャン時代のナンバー「いいことがしたい」、いずれもディスコファンクを基調にしながらJ-POPらしいキャッチーなメロディが組み合わさったハイクオリティな楽曲である。また、「いいことがしたい」ではボーカルだけでなくギターも演奏し、曲の雰囲気をより華やかにするカッティングから最後のソロパートに至るまでアーティストとしてのマルチな才能を存分に発揮している。 ■Wez Atlas 「40℃」「One Life」 『FLASH THE FIRST TAKE』への出演がメディア初パフォーマンスとなったヒップホップアーティストのWez Atlas。ライブでも人気を誇る「40℃」ではハウス風のトラックに乗せて心地よいフロウを繰り出しながらディスプレイの向こう側の視聴者を盛り上げるパフォーマンスを見せるとともに、「One Life」では聴き手の心を奮い立たせるようなビートを踏みしめながら\"ヒップホップミュージックが俺のファーストラブ\"という力強いメッセージを披露している。日本語と英語をシームレスに操る彼のラップを聴いていると、「日本語でラップはできない」などと言われていた時代があったことが遠い昔に感じられる。新たな才能が次々に登場する日本のラップシーンにおいても、この先さらなる注目に値する存在だ。ラップする姿を正面から捉えたカメラワークも迫力十分で、『FLASH THE FIRST TAKE』の醍醐味が感じられる映像となっている。 ■ASTERISM「METAL」「Planet Of Metal」 様々なジャンルの音楽を紹介してきた『FLASH THE FIRST TAKE』だが、ヘヴィメタルバンドとしては初めての登場となるASTERISM。海外でも活躍している3ピースバンドからギター&ボーカルのHAL-CAが1人でカメラの前に立ち、「METAL」「Planet Of Metal」の2曲を披露した。分厚くパワフルなメタルサウンドとそれに負けない伸びやかな高音ボーカルが特徴的なASTERISMの強みが凝縮された映像のインパクトは本企画でも随一だ。特に強烈なのがHAL-CAのギターの腕前で、「METAL」でイントロからすさまじい速弾きを見せたかと思えば、「Planet Of Metal」ではメロディアスなフレーズを着実に弾きこなすことでインストの楽曲の魅力をさらに一段高いものに引き上げている(ちなみに本企画のインスト曲は「Planet Of Metal」が初めてだ)。 TEXT BY レジー
THE FIRST TIMES編集部