「オーツミルク」の水溶性食物繊維が悪玉コレステロールを低下させる【時間栄養学的「気になる食品」】
【時間栄養学的「気になる食品」】 オーツミルクは、近年注目されているプラントベースの飲料のひとつで、栄養価の高さから世界中で多くの支持を集めています。その起源は1990年代のスウェーデンに遡ります。当時、ラクトース不耐症や乳製品アレルギーを持つ人々のために開発された代替飲料として、スウェーデンの企業「Oatly(オートリー)」が、オーツを主原料としたミルクを初めて商業化したことで、オーツミルクの市場が拡大したそうです。 腸内細菌が左右するがん治療効果 がん研究センターが国内初の臨床試験 オーツミルクの注目すべき栄養素のひとつが、β-グルカンという食物繊維! 水溶性の食物繊維で、血中の悪玉コレステロールを低下させる効果があることが報告されています。これは、心血管疾患のリスクを軽減する要因として広く認識されており、オーツミルクを摂取することで同様の効果が期待できるとされているのです。オーツミルク1杯(約240ミリリットル)には、約1グラムのβ-グルカンが含まれていて、日常的に摂取することでコレステロール管理に役立つ可能性があります。 別の研究では、オーツミルクを含むオーツ製品の摂取が、血糖値の安定化に寄与する可能性があることも示されています。これは、β-グルカンが消化管内で粘性を高め、糖の吸収を遅らせるためとされています。これにより、食後の急激な血糖値上昇を抑えることができ、糖尿病の予防や管理に役立つ可能性がありますね。 さらに、骨の成長を助けるビタミンDやカルシウム、脂質の代謝に関わるビタミンB2、タンパク質も含まれています。タンパク質と糖質は朝取ることで体内時計のリセットに関わりますし、オーツ麦由来のβ-グルカンを朝食に追加摂取することで、排便環境が向上したり、早起きになるというデータもあります。 同じプラントベース飲料の中でもオーツミルクは糖質が多く含まれている方です。オーツ自体に含まれる天然の糖分に加え、フレーバーが添加されている製品もありますので、ぜひ朝に摂取したいドリンクですね! さらに、心血管疾患のリスクを高めるとされる飽和脂肪酸が少なく、コレステロールを含まない点も健康的なゆえんでしょう。 さまざまな健康効果のあるオーツミルク、ぜひ試してみてはいかがでしょうか? (古谷彰子/愛国学園短期大学准教授)