嘉手納基地「負担軽減に逆行」 騒音悪化、降下訓練も常態化
極東最大級の米空軍拠点・嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)に、日本国外の基地から戦闘機の飛来が相次いでいる。老朽化したF15戦闘機の退役に伴う戦力の穴を埋めるためだが、騒音被害は悪化。無人偵察機も配備され、例外のはずのパラシュート降下訓練が常態化するなど、専門家は「基地負担軽減に逆行している」と指摘する。 爆音を響かせながら、滑走路から離陸するF22ステルス戦闘機。嘉手納の所属機ではないが一時配備され、飛行を繰り返している。 米空軍は22年12月から、嘉手納に常駐するF15約50機を順次退役させている。約2年かかる計画で、その間、F22やF35Aステルス戦闘機などをローテーション方式で配備する。 昨年12月から5カ月連続で実施されたパラシュート降下訓練も、基地外への兵士や物資の落下などの危険性がある。嘉手納使用は「例外的な場合」に限られているはずだが、米軍は続ける方針だ。 沖縄国際大の野添文彬准教授(国際政治学)は「抑止力の維持には沖縄の米軍を県外・国外に分散させることが必要」と指摘する。