かつてはアニメでブームに ある動物の農作物被害が増加傾向 深夜の果樹園に現れたのは?広い行動範囲、雑食性で広範囲に被害
昨年度、県内の鳥獣被害額は3億3千8百万円でした。イノシシやシカ、サルの被害が多く、アライグマが占める割合は0・01パーセントほどです。しかし2017年以降、少しずつ増加していて、去年の被害額は過去最高の400万円でした。 県によると、県内では15年前に萩市で初めて目撃されました。それ以降、県内全域に分布が広がっています。今後も数が増え続けると、当然、被害が増えていくものと予想されます。 ■雑食性で広がる被害 その被害は果樹だけにとどまりません。哺乳類や昆虫も食べる雑食性で、4年前には宇部市のメダカ販売店でメダカの水槽が荒らされる被害がありました。 阿武町で7年前から特産のスイカを生産している梅田将成さんは、今年初めて、アライグマの被害に遭いました。 福賀すいか部会・梅田将成さん 「きちんと張れている状態ならこのネットだけで今までちゃんとカバーできていたんですけど、今年はアライグマに入られるというような被害がありました」 被害に遭ったスイカはおよそ30個。農業体験で、地元の中学生が苗から育てたスイカも食べられていました。スイカには、丸い穴。穴を開けてくり抜く、アライグマ特有の食べ方です。 梅田さん 「明らかにアライグマという被害が今までなかったのが急に出だしたので、多分今まであまりこの辺にはいなかったのがこの辺に住みつくようになったんじゃないかなと思います」 ■人間社会の変化も増加要因に アライグマは空き家の屋根裏などに住みつくことが多いため、空き家が増えていることも増加の原因のひとつといえます。 大森学芸員 「山口県内でそういった環境がどんどん広がるとアライグマにとって好適な環境が広がっているということですので、人間社会の変化もきちんと認識する必要があると思います」 平山台果樹団地では、県とともにアライグマを調査し、捕まえたアライグマにGPSを取り付けてその行動を調べました。その結果、果樹園から10キロほど離れた空き家から来ていることが分かりました。