かつてはアニメでブームに ある動物の農作物被害が増加傾向 深夜の果樹園に現れたのは?広い行動範囲、雑食性で広範囲に被害
テレビ山口
山口県内の野生鳥獣による被害、いわゆる鳥獣被害の総額は去年3億3800万円にのぼりました。鳥獣被害といえばシカ、イノシシ、サルなどが真っ先に思い浮かぶと思いますが、今、県内ではアニメでブームにもなったある動物の被害が増加の傾向を見せています。 【写真を見る】かつてはアニメでブームに ある動物の農作物被害が増加傾向 深夜の果樹園に現れたのは?広い行動範囲、雑食性で広範囲に被害 いったいどんな動物なのでしょうか。農業の現場を取材しました。 ■果樹園のカメラに映ったのは? 萩市小川地区の平山台果樹団地。ナシやブドウ、モモなどさまざまな果物を生産しています。この地域では、2020年から4年間、県と協力して鳥獣被害の調査が行われました。 深夜、仕掛けたカメラに映っていたのは、アライグマ。するすると支柱を登り、果物を食べる姿が捉えられていました。 およそ40種類のナシやリンゴを生産する上杉農園では、数年前から実が減ったり枝が折れたりしているのに気付くことがあったそうです。正体が分かって驚きました。 上杉農園・上杉晋也さん 「ここ、実がなってなかったのかなっていう、分からなかったですけど、カメラを見て、アライグマが登って食べているというのが初めて分かった訳ですね。大変びっくりしました」 ■ペットとして輸入され野生化 アライグマというと、しま模様の大きな尻尾とつぶらな瞳が印象的です。原産地は北アメリカで、1970年代にテレビアニメの影響で人気となり、およそ2万匹がペットとして日本に輸入されました。 しかしその後、飼育できずに野に放たれたり逃げ出したりしたペットが日本各地で野生化しました。農作物の被害や家屋への侵入など全国的に問題となり、生態系や農林水産業に被害を及ぼす外来生物が指定される特定外来生物となっています。 ■特徴は「木登り」 タヌキやアナグマに間違えられることも多いようですが、専門家は、大きな違いがあると指摘します。 県立山口博物館学芸員・大森鑑能博士 「タヌキやアナグマと比べてアライグマは木登りができるところが違うところですね。アライグマで一番の被害が出ているのは果樹になります。他の動物では手が届かないところも木登りをして食べることが出来ますので、被害金額が増えているところです」