伊豆諸島沖に国内最大の洋上風力発電を整備へ、出力は原発1基分…小池都知事がCOP29で表明
【バクー=田中洋一郎】東京都の小池百合子知事は13日、アゼルバイジャンで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)の会合で、伊豆諸島沖に大規模な洋上風力発電施設の整備を目指す方針を明らかにした。出力は原子力発電所1基分の1ギガ・ワット級を見込む。完成すれば国内最大規模の風力発電施設になるという。
都によると、風車を海面に浮かべ、いかりで固定する「浮体式」とする。一般家庭90万世帯分の年間消費電力量を賄える計算で、完成時期は未定という。都の専門家会議が昨年9月、「風速9メートル超の風が吹く伊豆諸島の海域は洋上風力に適している」との見解を示したのを受け、都は伊豆諸島の2町6村と設置場所の協議を進めている。
政府は洋上風力の発電量を2030年度までに5・7ギガ・ワットまで伸ばす目標を掲げているが、現在は北海道や秋田県など5道県で計0・26ギガ・ワットにとどまる。出力30万キロ・ワット以上の洋上風力発電施設は法律で国が整備を主導すると決められており、都は生態系調査や漁業者らの意見を踏まえて、設置場所を選定し、国に整備を求める。
小池氏は会合後、報道陣の取材に応じ、「浮体式の洋上風力はとても大きなチャレンジ。検証を重ね、できるだけ早く行いたい」と話した。