トランプ氏は利下げ認めるFRB議長選ぶ可能性-ブリッジウォーター
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領の関税、財政刺激策、移民に関する政策により、米国は2%のインフレ目標を達成できない可能性が高い。ブリッジウォーター・アソシエーツの共同最高投資責任者(CIO)、ボブ・プリンス氏が20日、このような見方を示した。
同氏は香港で開催された「グローバル・ファイナンシャル・リーダーズ・インベストメント・サミット」で、米国のインフレ率が1年半後に3%に近づくようであれば、トランプ氏はより高いインフレ目標を受け入れ利下げを可能にするような米連邦準備制度理事会(FRB)議長を指名する可能性があると述べた。
「金利を引き下げたいという願望はある。しかし、インフレ率が高止まりすれば利下げはできない。そうなると、パウエル現FRB議長の任期が切れる18カ月後に、興味深い状況が生まれるだろう」と話した。
プリンス氏は、2期目のトランプ政権下ではインフレ率が高まると警告する声に加わった。トランプ氏の政策が物価上昇圧力を高め、労働力拡大を抑制するとの見方が背景にある。
パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の副会長兼マネジングディレクターのジョン・スタジンスキ氏も、バンコクで開催されたフォーブス誌の最高経営責任者(CEO)会議で「投資家は引き続き、インフレに強い資産に投資することを検討すべきだ」と述べた。
「インフレはなくならない。米国が提案している関税は物価に影響を与えるだろう。中東における地政学上のリスクも、サプライチェーンや物流コストへの主要なリスクだ」と語った。
トランプ氏は選挙キャンペーンの中でパウエル氏を批判していたが、パウエル氏はトランプ氏から辞任を求められても応じないと述べている。
トランプ氏の政策は、名目成長率の上昇、持続的な高水準の支出、イールドカーブのスティープ化という経済シナリオを生み出す可能性が高いとプリンス氏は述べた。株式にとってより好ましい環境になると指摘した。