奥行がなく限られたスペースでは、植物をどんなふうに配置すればよい?
「具体的な植栽例がありがたい」「うちの庭にも役立ちそう」と、うれしい反響をいただいている季節連載「杉井志織のガーデン誌上添削」。3回目のテーマは、小さいガーデンやエントランスなど、限られたスペースのお悩み。 ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」からお寄せいただいた読者のみなさんの写真を、杉井志織さんのアドバイスのもと、編集部が画像処理しました。見違えるような空間づくりのコツは要チェックです! 『趣味の園芸』10月号より、高低差がなく花壇がのっぺりした印象になるというお悩みと、その解決方法をご紹介します。
横長花壇で、高低差がなくのっぺりした印象になる
奥行き60cm×幅5.5mほどの玄関前の花壇です。奥から手前に植物の高さを変えたりカラーリーフを植えたりしていますが、バランスよく配置できません(4月撮影)。どんな植物をどう配置すればいいですか? 埼玉県/くーちゃん丸さん
【添削】ジグザグに植えると変化が生まれます
直線的な花壇とアプローチに対して、植物もまっすぐに植えると、平面的になりがち。植物は「ジグザグ」を描くように植えるとナチュラルな印象になり、バランスもよくなります。 まずは花壇の主軸になる花の咲く低木をジグザグに植えてベースをつくります。この花壇は横長なので2種類の花木を使って単調にならないようにしました。各草花は低木のジグザグに沿わせて植えます。多年草をメイン(7割ほど)に、ところどころを一年草(3割ほど)にすると季節感が出ます。割合はお好みでかまいません。
花壇に奥行きがないと、遠近感がつけにくいため平面的に植栽しがち。立体的な植栽を心がけましょう。ハードルが高そうに思えますが、方法は簡単。「まっすぐ植えない」「高低差をつける」など、配置を少し工夫するだけでかなり見違えます。 ★1月号でもガーデン誌上添削を掲載予定です。テーマは「〈寄せ植え作り〉や〈鉢の置き方・見せ方〉について」。お庭の写真とお悩みをお送りください。ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」の応募フォームで、10月10日(木)まで受け付けています。 杉井志織(すぎい・しおり) 園芸家 庭の植栽設計、花壇管理、花壇ボランティア運営の指導、フラワーショーなどのイベント装飾などで活躍。草花全般の栽培、最新品種の情報に精通。ビギナーにもわかりやすい語り口で人気が高い。監修に『らくちんガーデニング 12か月の魔法 無理なく続ける庭しごと』(NHK出版)など。 ●『趣味の園芸』2024年10月号 季節連載 杉井志織のガーデン誌上添削 秋編/限られたスペースのお悩みを解決! より