47%増量も…コンビニ各社「大増量キャンペーン」好調に“意外な背景”? 喜んでばかりいられない
350円のコンビニサラダを手に取り、棚に戻す
また、今年4月から放送中の連続ドラマ『燕は戻ってこない』(NHK総合)でも、“コンビニ飯=贅沢”と思わせるシーンがある。 1話で手取り14万円の非正規労働者・大石理紀(石橋静河)は、奨学金の返済に追われる同僚・河辺照代(伊藤万理華)から「昼、外食しよ」と誘われる。ただ、足を運んだのはコンビニのイートインスペース。店内で買ったカップラーメンにお湯を入れる理紀に照代は「たまには外食もいいよね」と話しかけ、これに理紀も「本当。贅沢しないとね」と返答。 さらには、2人はコンビニ内で陳列されている350円のサラダや298円のサンドイッチを手に取った後、切なそうに棚に戻すシーンもある。彼女たちにとって、いかにコンビニ飯が気軽に手を出せる商品ではないのかが伺えた。
“コンビニ飯=贅沢品”という人が増えているのでは
どちらも単なるフィクションの話じゃないか、と思う人もいるかしれない。しかし、ひと昔前のドラマや映画では、上京する我が子を心配した親が「コンビニ弁当ばかり食べていないかい?」と電話越しに尋ねるシーンが珍しくなかった。コンビニ飯は気軽に手が出せる商品だったからこそ、こういったセリフがよく使われていたのだろう。ただ、時代は変わり前出の姫子や理紀のように“コンビニ飯=贅沢品”と考えている人は増えているのではないか。 日本の実質賃金は30年近くほぼ横ばい。にもかかわらず、税金や社会保険料は上がっており、経済的に困窮している人は少なくない。増量キャンペーンが実施されないとコンビニ飯に手が伸ばせなくなった人が増加したからこそ、人気を集める企画になった可能性は低くない。 <文/望月悠木> 【望月悠木】 フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki
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